ハイアット ホテルズ コーポレーションは 2020 年第1四半期の業績を発表。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、世界中のホテルの 3 分の 1 にあたるホテルを閉鎖中で、ホテル従業員の約 65 %が一時帰休などを取っていることを明らかにした。
足元では厳しい状態が続いているものの、感染が収束しつつある中国や韓国では、需要回復の兆候が出始めている。アフターコロナの時代にどのような道筋で正常の経済活動に戻るかを予測するため、感染拡大から回復へと向かうこれらアジア諸国の動きに注目が集まっている。
ハイアットは現在、稼働率や予約の減少によって世界中のホテルの3分の1を閉鎖中で、ホテル従業員の約65%は一時帰休か、休暇を取っている。その中で、韓国では短期的なビジネス予約が倍増し、中国でも一時閉鎖していた26のホテルが1軒を除いて再開し、5月初旬の連休には満室になるホテルも複数あった。中韓における回復の動向から、同社では世界のほかの地域についてもある程度の予測ができるという。
同社CEOのマーク・ホプラマジアン氏によると「この時期に客室を完売できたことは注目に値する。最も需要の高いホテルは車で行けるところ」で、「世界のほかの地域でもレジャーや車でのアクセス可能なホテルが優勢になる」と明るい見通しを述べた。
中国と韓国では新型コロナウイルスの新規感染者の減少に伴い、宿泊予約と稼働率が着実に上昇しており、新規感染数が1日当たり百人を下回ると予約や需要が大幅に増加したという。需要の大半は自動車を利用した旅行者だったが、航空便でアクセスする海南島のホテルの需要も急増。業績の揺り戻しは急速に起こっているという。
第1四半期の決算をみると、損失額は約110億円( 1 億 300 万ドル)で、販売可能な1室あたりの売上を示す RevPAR は 28% 減少した。東南アジア、中国、オーストラリア、韓国、日本、およびミクロネシア地域での減少率は高く、59% に上ったという。
同社CFOのジョアン・ボッタリーニ氏は「中国と韓国は改善したが、その他の地域で業績が悪化していることから、第2四半期は年間で最悪の四半期になる」と予測。北米での感染拡大は 3 月中旬からのため、全体的な回復は今年の後半以降になるとみられる。
財政を立て直すため、2020年の資本費用を約 133 億円(1 億 2500 万ドル)削減、投資と企業支出をカットし、事業者が手元資金を維持できるようにブランド要件を一時的に修正した。ホテルオーナーには6月まで固定費の支払いを猶予しているが、さらに延長する可能性もある。
全社の流動性資産は約 3,200 億円(30 億ドル)強で、財政調整により現在の稼働状況でも最低 30 カ月間、営業を継続できるという。