ヒルトン、「ホテルは航空会社より早期に回復」 ドライブ旅行に対応できるホテルで早期回復に自信

世界でホテルチェーンを展開するヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスは 2020 年第1四半期の業績を発表。新型コロナウイルスにより世界の旅行業界が苦境に陥っているが、同社 CEO のクリストファー・ナセッタ氏は「ホテルは航空会社より早期に回復する」と述べた。

ナセッタ氏は、他のアナリスト同様、小旅行やドライブ旅行が新型コロナウイルス不況から最初に回復すると予想。Hiltonは旅行需要の急減速を受けて 950 のホテル営業を一時的に停止しているが、ホテル業界は、航空会社と足並みを揃えて回復する必要はない。

ナセッタ氏は「航空会社の回復は相当遅れると考えられるが、我々ホテルは航空会社がつかみきれないニーズをとらえることができるため、より速いペースで新型コロナウイルス問題から回復できる」と第1四半期の決算報告会で述べた。

旅行業界では一般的に、レジャー旅行が最初に回復し、次にビジネス旅行(出張)、コンベンションなどの団体旅行が最後に回復すると予想されている。アナリストは過去にヒルトンやマリオットのようなグローバルブランドが過当競争になっているのではないかと疑問視していた。しかし、ナセッタ氏によると、Hilton ブランドはパンデミック終息後の最初の休暇に、航空機を使わない旅行者の最初の波をとらえるのに有利に働く、と強調。

「旅行需要は若干の持ち直しが見られるが、その殆どがドライブ旅行である。当社グループは多くのホテルブランドを有しており、米国において小旅行やドライブ旅行に対応した約 4,000 のホテルを有している」とナセッタ氏は述べた。

 

旅行需要の完全回復には相当な時間がかかると予想

ドライブ旅行は、Hiltonの業績回復を後押しすると予想されるが、同社を 2019 年並みの業績に戻すには、航空会社のサポートが必要と予想される。再度ピークに戻すためには「 2 ~ 3 年かかるかもしれない」とナセッタ氏は述べた。

また、航空業界について「航空会社の完全回復には航空機の乗客の不安を取り除く必要があり、かなりの時間が必要だ」との見解を示す一方で、ホテルはそこに至るまでに相当回復しているだろうとも述べ、早期回復に自信をにじませた。

新型コロナウイルス問題については、各国で外出制限が緩和されるなど、徐々に経済の再稼働に向けての動きが開始されている。多大な影響を受けているホテル業界が、今後どのような形で回復することになるのか、注目されることになりそうだ。



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