国交省の基準地価 インバウンド需要の高い京都や大阪で上昇

国土交通省は9月19日、2017年7月1日時点の基準地価を発表した。それによると、京都や大阪などのインバウンド(訪日外国人)需要の高い繁華街が軒並み上昇。インバウンドの急増によって、地価が上昇することが浮き彫りになり、地域に大きな影響を与えている。

全国21,644地点で行われてた2017年の基準地価調査によると、商業地ではインバウンド需要が高い京都がトップ10に5地点が入った。住宅地では、一大スキー場を擁する北海道倶知安町が中華圏のインバウンド客から注目が集めトップとなった。沖縄県那覇市の那覇新都心の2地点が3、4位に入るなど観光地が上位を占める。

1位の京都の地点は朱色の千本鳥居がある伏見稲荷大社で、連日大勢のインバウンド客がスマホで撮影するなどインスタグラムへの投稿が絶えない世界的に“フォトジェニック”な場所だ。2位の大阪の地点は、道頓堀川に沿うように飲食店が建ち並び、ミナミの繁華街に通じる大阪屈指の観光スポットとなっている。

【全国の商業地の基準地価トップ10】(右の数字は前年との変動率)
1位 :京都市伏見区深草稲荷御前町89番(京都府)=29.6%
2位 :大阪市中央区宗右衛門町46番1外(大阪府)=29.1%
3位 :名古屋市中村区名駅3丁目2605番(愛知県)=28.8%
4位 :名古屋市中村区椿町109番地1外(愛知県)=28.1%
5位 :京都市東山区四条通大和大路東入祇園町北側277(京都府)=27.3%
6位 :京都市下京区四条通柳馬場西入立売中之町92番(京都府)=25.3%
7位 :京都市中京区蛸薬師通東洞院東入泉正寺町322番(京都府)=24.4%
8位 :京都市下京区新町通七条下る東塩小路町727番5(京都府)=24.0%
9位 :名古屋市中村区名駅2丁目4010番(愛知県)=23.7%
10位 :福岡市博多区冷泉町206番(福岡県)=23.3%
(参照:国土交通省)

観光庁によると、インバウンドによる旅行消費額は約3兆7,500億円。電子部品と自動車部品の輸出額を上回るり、製造業よりも経済規模が大きく国内の主要産業になっている。特に京都や大阪などでは、インバウンド特需に沸き非常に大きな経済効果を生んでいる。

その一方でほかの地方の観光都市との二極化が生じている。京都や大阪などの観光地、地方の主要都市以外、7割以上の調査地点で下落。地方都市では人口減が続き、不動産を購入する人が少なく、健全な地域の発展が停滞から衰退へと向かっている。

2016年はインバウンドが過去最多の2,400万人を数えた。政府では東京五輪・パラリンピックが開催される2020年に4,000万人のインバウンドを目標値に設定した。2017年9月時点でのインバウンドは既に2,000万人超で、昨年よりも大幅に更新することが確実。基準地価下落の地域は、マチの特色を見いだし、情報発信力を積極的にしなければ、ますます二極化が加速していくことになりそうだ。