国土交通省所管の観光庁はこのほど、地域の宿泊事業者が行うインバウンド(訪日外国人)対応事業を支援する2次募集を開始した。インバウンドの受け入れのため、ソフト面の環境整備で利便性の向上を図るのが目的。各事業者に100万円を上限に支援する。
観光庁ではインバウンドを東京五輪・パラリンピック開催年の2020年に4,000万人、30年に6,000万人の目標を掲げている。このため、現状の宿泊施設のさらなる環境整備の拡充の必要性を挙げ、滞在時の利便性を高めていくことを本格的に推進している。今回の支援はその一環で「宿泊施設インバウンド対応支援事業」として、第4弾の支援事業の2次募集となる。
支援について、宿泊事業者(5事業者以上)による協議会が「訪日外国人旅行者受入態勢拡充計画」を策定。国交相が認定した各宿泊事業者が整備するWi-Fiの整備、自社サイトの多言語化への対応などの経費を3分の1(上限100万円)を支援する内容だ。客室部分の整備は対象外になる。宿泊施設の利便性を高め、インバウンドのリピーターの獲得なども事業の狙いだ。
▽宿泊施設インバウンド対応支援事業2次募集
公募期間:2017年8月10日(木)~10月2日(月)必着
申込先 :観光庁 観光産業課 宿泊施設インバウンド対応支援事務局
住所 :〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3
電話番号:03-5253-8329
受付時間:10時~正午、13~17時(土日祝日を除く)
▽支援対象の主な整備内容
・Wi-Fiなどの通信環境の設置や工事費
・自社サイトや宿泊施設の多言語による案内
・トイレの洋式化
・国際放送設備の整備
・宿泊施設の共用部の段差解消の工事費
申請に際し、観光庁のHP(http://www.mlit.go.jp/kankocho/topics06_000110.html)から必要書類をダウンロードできる。ただし、公募期間内であっても支援額が予算に達した時点で打ち切る。本事業で支援を受けた実績のある事業者は対象外で、新規の事業者のみ受け付けを行う。
同事業は2015年度補正予算事業で支援をスタートした。2015年12月に閣議決定した経済強化に関する予算の一部で、観光関連で56億円を計上。このうち、各宿泊施設のインバウンド対応について「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業」として約10億円の予算枠がある。観光庁では全国の約1,000施設の宿泊施設を支援することを想定している。
支援事業は最近で2017年6月28日~7月31日に第4弾1次募集、2016年3月4日~3月31日に第3弾の募集をしている。今後も対象支援事業の予算の枠を念頭に、支援事業を追加していく可能性がある。