【調査】ホテルでの睡眠に満足した宿泊客はたったの3割 良質な睡眠の提供に勝算ありか

アメリカの市場調査会社・J.D. Powerの2019年北米ホテルの顧客満足度調査によると、ホテルなどの宿泊施設は宿泊客の睡眠の質の改善への投資を増やす余地があるとする調査結果を明らかにした。

J.D. Powerの2019年北米ホテルの顧客満足度調査は、2018年6月から2019年5月の間にホテルに宿泊した約44,890人の宿泊者からの回答に基づくもの。

本年次調査によると、ホテルの顧客満足度において最大の要因である睡眠の質について、顧客がホテル滞在中に「予想以上の睡眠の質が得られた」と回答したのはわずか29%にしか過ぎなかった。

なお、「質の高い睡眠が得られた」と回答した29%のうち、78%は必ず再度同じホテルに宿泊する、と回答。また71%はより安らぎを与えてくれるホテルに泊まりたい、とも回答した。

J.D. Powerで消費者動向を担当するJennifer Corwin氏は「ベッドやリネン、枕の質から部屋の周囲の音や温度に至るまで、質の高い睡眠を提供することは、ホテルが競合ホテルとの差別化を行い、宿泊客からの信頼を得る大きなチャンスだ」と述べる。

ホテル業界の総合満足度では、The Ritz-Carltonが5年連続でラグジュアリーカテゴリーにおいて1位となった。またアッパーミドルセグメントではDrury Hotelsが14年連続で1位となっている。

また調査においてトップランクの高級ブランドはHard Rock Hotelであり、またBest Western Premierも上位にランクインしている。ミッドスケールレベルでは、Wyndham によるWingateが6年連続で最高賞を獲得し、エコノミーセグメントでもWyndhamによるMicrotelが4年連続で勝者に選ばれた。

ホテルで宿泊する際に、ほぼすべての宿泊客は一日の疲れを癒すためにも睡眠をとるもの。今回の調査で明らかになったのは、誰もが行う睡眠に対しホテル側が宿泊客に対して十分な満足感を与えられていないという現実だ。

ただし睡眠の質の向上といっても、ベッドなどのハード面から温度などのソフト面まで、睡眠の質の向上に向けた対策は多岐に渡る。ただし、睡眠の質に満足した宿泊客は高いリピートが期待できるとの調査結果でもある。

ホテルとしては原点回帰ともいえる宿泊客の睡眠の質の向上について、リピート客の獲得という観点からも、改善を検討していみるのもよいかもしれない。



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