従来のホテルや旅館などでは、鍵の受け渡しや本人確認などのチェックイン手続きはフロントで行うのが一般的だった。一方で、Airbnbなどの民泊仲介サイトなどを利用した民泊サービスの場合、これらの手続きをIoTなどを活用して無人で行うセルフチェックインが主流となってきている。

本記事では、民泊サービスで一般的となりつつあるチェックインサービスとして知られているIoTなどを活用したセルフチェックインや、訪問型チェックイン、ハブ型チェックインなどの方法が登場してきている。本記事ではこれらのチェックイン方法のメリット、デメリットなどに迫る。

 

民泊鍵の受け渡し・チェックインサービスを徹底比較

国内最多の店舗数を誇る「KEY STATION」、日本市場参入を開始した黒船ベンチャー「KeyCafe」に加えて、TSUTAYA運営のCCCも民泊の鍵受け渡しサービスを開始するなど参入者が急増している。本コラムでは、民泊の鍵受け渡し代行サービスを展開する会社のサービスを徹底比較していく。

国内の店舗数※が最も多いのはKEY STATIONで東京・大阪中心に11店舗を展開している。店舗展開エリアについても民泊施設が多いエリア(新宿歌舞伎町、新大久保、渋谷など)を中心に多い。

料金面においても、KEY STATIONは使い放題プランは月額3,000円、都度課金プランにおいても月額1,000円、1回利用500円と他のサービスと比較しても非常に安いのが魅力的だ。

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※2018年2月26日の調査時点

 

民泊チェックインサービス・鍵受け渡しの3タイプ

セルフチェックインとは、タブレット端末やコンビニなどに設置された端末を利用して宿泊客自身がチェックインを行うチェックインタイプを指す。このタイプでは基本的にはホテルスタッフなどはおらず、セルフでチェックインを行うのが特徴。

訪問型チェックインとは、担当スタッフが宿泊客が到着する前に現地で一時的に待機してチェックインを行うタイプのことを指す。

ハブ型チェックインとは、点在する複数の部屋のフロントを一つで集約して行うタイプで、町全体をホテルのように考え、各物件ごとにチェックインを行うのではなく、フロントを一つに集約しているのが特徴だ。

 

 店舗型 タブレット型現地訪問型
対応エリア東京23区、大阪市全国対応東京都新宿駅、渋谷駅
京都駅、博多駅
 料金料金(一回)500円〜690円/回3,000円〜5,000円
 料金(月額プラン)1,980円〜3,000円月額料金
 労力(ゲスト視点) 店舗へ行く手間が発生なしなし
労力(ホスト視点)なしなし日程調整が発生

 

 

国内最多店舗「KEY STATION」11店舗で展開

KEY STATIONは、株式会社KEY STATIONが運営するAirbnb・民泊向けの鍵受け渡し代行サービス。24時間無人で鍵の受け渡しができるほか、リアルタイムで鍵を管理することができることから利用者が増えている。

民泊黎明期からサービスを展開していることから国内で最多となる店舗数11店舗を抱え、東京都内には9店舗、大阪市内には3店舗を運営する。

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▽サービス提供箇所
・KEY STATION新宿 東京都新宿区歌舞伎町1-23-13第一大滝ビル1F
・KEY STATION新大久保 東京都新宿区大久保1-15-15 秋山ビル1F
・KEY STATION渋谷 東京都渋谷区渋谷1-7-5青山セブンハイツ205
・KEY STATION渋谷宮益坂上店 渋谷区渋谷1-7-5 青山セブンハイツ1F
・KEY STATION原宿 東京都渋谷区神宮前5-12-12 J-Wing Right B1
・DUPLEX 池袋 東京都豊島区西池袋1-9-2
・KEY STATION新橋駅西店 東京都港区新橋2-159 エスプラザ弥生ビル2 1F
・KEY STATION赤坂 東京都港区赤坂6-11-13 ファブリックビルディング1F
・KEY STATION東上野 東京都台東区東上野4-16
・KEY STATION大阪日本橋 大阪市浪速区日本橋4-3-7
・KEY STATION大阪南堀江店 大阪府大阪市西区南堀江1-17-7 グウマグロリア1F
・民泊カフェええ庵 大阪日本橋 大阪府大阪市中央区日本橋1-15-10

▽提供料金
・都度課金プラン(月額1,000円、1回利用500円)
・使い放題プラン(月額3,000円)

 

コンビニで民泊の鍵を受け渡し「KeyCafe」

シェアリングエコノミーなどの鍵の受け渡しの拠点を設置しているカナダのベンチャー企業「Keycafe」が2018年1月に日本に上陸。3月現在東京都内を中心に全国8箇所で民泊向けの鍵の受け渡しサービスを行っている。

Keycafeは民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(エアービーアンドビー)のホストアシストパートナーとなっており、連携設定を行うことでアクセスコードをゲストに自動配信。またこのアクセスコードはチェックインからチェックアウトまでのみ有効なものでセキュリティ対策も万全だ。

▽サービス提供箇所
・LAWSON GINZA SIX 東京都中央区銀座6-10-1
・大泉工場 東京都港区西麻布2-13-13
・UNISON TAILOR NINGYOCHO 東京都中央区日本橋人形町3-9-8
・HARAJUKU TOURIST INFORMATION CENTER 東京都渋谷区神宮前1丁目19-11
・BASEMENT CAFE 東京都渋谷区神泉町8-1 鈴屋ビルB1F
・COUNTERPART COFFEE GALLERY 東京都渋谷区本町3-12-16
・新宿永谷ビル205号室 東京都新宿区歌舞伎町2‐45‐5 205
・コインランドリー浜町 長崎県長崎市油屋町1-37 クオーレ浜町 1F

▽提供料金
・アンリミテッドプラン 鍵ごとの月額料金1,980円
・ベーシックプラン 鍵ごとの月額料金790円、受渡し毎の利用料金290円
・使った分だけプラン 690円(受渡し毎の利用料金)+ 50円(保管日数による利用料金)

 

TSUTAYAで民泊の鍵を受け渡し「CCC × Zens」

「TSUTAYA」などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、蔦屋書店・TSUTAYAでAirbnbの鍵受け渡し代行サービスを2018年2月から開始。鍵代行以外にも店舗によってはウェルカムドリンクの提供や荷物預かり等のサービスの提供も行う。

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▽提供サービス
・鍵の受け渡し
・台帳の代理取得
・ハウスルールへの合意署名の取得
・周辺のスポット等をまとめた店舗限定「DEEP MAP」のご提供
・ウェルカムドリンクの提供(梅田 蔦屋書店、六本松 蔦屋書店)
・荷物のお預かり(TSUTAYA BOOK APARTMENT、梅田 蔦屋書店)

▽サービス提供箇所
・TSUTAYA BOOK APARTMENT 東京都新宿区新宿3-26-14
・梅田 蔦屋書店 大阪府大阪市北区梅田3-1-3 ルクア イーレ9F
・六本松 蔦屋書店 福岡県福岡市中央区六本松 4-2-1 六本松421 2F

▽提供料金
・月額使い放題 1物件¥10,000(税抜)

 

セブンイレブンの専用端末で民泊鍵の受け渡し

セブンイレブンとJTBは、共同で民泊のチェックインに必要な本人確認や鍵の受け渡しを可能にする民泊チェックイン機を共同で整備する計画と発表した。

「フロントデスク24」と呼ばれる民泊専用のチェックイン機は、住宅宿泊事業法の施行とともに増加することが見込まれる民泊ニーズに対応するサービスで、東京オリンピック開催の2020年度までに全国で1,000店への展開を目標とする。

「フロントデスク24」では、民泊のチェックイン時に必要になる宿泊名簿作成、本人認証、鍵の受け渡しまでを専用の機械で行うサービス。宿泊ゲストは、セブンイレブンに設置している端末からパスポート情報を登録し本人認証までを済ませることで、部屋の鍵を受け取ることができる。

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