ホテルチェーン世界大手のマリオット・インターナショナル(Marriott International)は、同社が提供するロイヤルティプログラム「Marriott Bonvoy™ (マリオット ボンヴォイ)」メンバー向けに提供する無料宿泊特典にダイナミックプライシングを導入する。
9月14日からスタートする新プログラムでは、現行のスタンダードレートに加え、新しく導入されたオフピークとピーク時用のレートでポイント交換による無料宿泊を利用できる。これによりホテルのオフシーズン期間であれは、より少ないポイント数で無料宿泊特典を利用可能だ。
また、現金とポイントを併用してホテルを予約できる「キャッシュ+ポイント」でも同様に、宿泊と交換できるポイント数は、それぞれオフピーク、スタンダート、ピークの価格に基づくようになる。
例えば、オフピークの期間の場合、ホテルポイントごとの現金の固定料金とオフピークのポイント数で予約でき、ピークの期間の場合も同じく固定料金にピークのポイント数で予約できる。オフシーズン期間であれば、より少ないポイント数で予約可能だ。
需要と供給の状況に応じてホテルの宿泊価格を変動させ売上の最大化を狙う「ダイナミックプライシング」は、昨今ホテル業界で注目を集めている。特にAIやダイナミックプライシングを活用し大きく躍進したホテルチェーン Oyo Hotels & Homes(オヨ・ホテル&ホームズ)は、1日あたり5000万件もの価格調整を行う。
ダイナミックプライシングは、日本でもホテル業界に限らず広がりつつある技術で、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が2019年1月からチケット価格を変動制に切り替えたほか、名古屋のレゴランド・ジャパンも2018年夏から導入するなど注目を集めている。
Marriottのダイナミックプライシングは9月14日にスタート予定
今回のMarriottが導入する新しいプログラムは、ダイナミックプライシングのライト版だ。ホテルの宿泊価格の調整を直接行うものではないが、オフピークとピークで必要なポイントレートに差が生じることから、ピーク時よりはオフピークに分散するよう働きかける。
ホテルカテゴリが 5 のホテルの場合、スタンダードでは 35,000 ポイントが必要となるが、ピーク時には 40,000 ポイントが必要になり通常よりもポイントが多く必要になる一方で、オフピークでは 30,000 ポイントで予約できる。
なお、ピークレートはホテルの予約数と在庫数に応じて変動するため、必ずしも季節要因によって決定されるわけではない。早めに予約すれば、標準レートもしくはオフピークでのポイント数で予約できる可能性がある。
9月14日運用開始: 新しいポイント交換アワードチャート
ホテルカテゴリ | オフピーク (9月14日運用開始) | スタンダード | ピーク (9月14日運用開始) |
1 | 5000 | 7500 | 10000 |
2 | 10000 | 12500 | 15000 |
3 | 15000 | 17500 | 20000 |
4 | 20000 | 25000 | 30000 |
5 | 30000 | 35000 | 40000 |
6 | 40000 | 50000 | 60000 |
7 | 50000 | 60000 | 70000 |
8 | 70000 | 85000 | 100000 |