世界最大のホテルチェーンの「マリオット」、2021年までに1700ホテル、約28万客室を新規オープンへ

ホテルチェーン世界最大手のマリオット・インターナショナル(Marriott International)は、ニューヨークで開かれたインベスターデーで、今後3年以内に1,700軒のホテルを開業することが明らかにした。

同社によると、すでに新規オープン予定の客室のうち21万4000室が着工済みで、2021年までには27万5000~29万5000室が完成するという。

この客室の大幅増加には、2016年に同社が買収したスターウッド・ホテル&リゾート(Starwood Hotels & Resorts)が作用したと、マリオット・インターナショナル社長兼最高経営責任者のアーン・ソレンソン(Arne Sorenson)氏はみる。

ソレンソン氏は、スターウッド買収によってマリオットは「より価値のあるロイヤルティプログラムの提供、ロイヤルティ会員やオーナーにとっての魅力的なブランド、特に急成長を遂げているアジア太平洋地域における素晴らしいロケーション、大幅なコスト削減、スケールメリットを提供できる手ごわい競合となった」とコメント。

さらに、最近スタートしたロイヤルティプログラムのマリオット・ボンヴォイ(Marriott Bonvoy)にも触れ、「毎日約5万人ずつ会員が増え、2018年末には会員数が1億2500万人に達した」と明かした。

マリオット・ボンヴォイ(Marriott Bonvoy)は、マリオット・インターナショナルが2019年2月からスタートした新しいロイヤルティプログラム。

マリオットリワード、ザ・リッツ・カールトンリワード、スターウッドプリファードゲスト(SPG)を統合し、新ロイヤルティプログラムとして誕生した。

ロイヤルティプログラムの統合により会員は、これまで以上にシームレスに滞在予約ができるとともに、マリオットのホテルポートフォリオ全体でポイントの獲得や交換などを行うことができるようになっている。

Marriott Bonvoy より

 

マリオット、規模拡大で年間約770億円の収入増

マリオットは、客室数の増加によって2021年までに約440億円(4億ドル)、全客室が完成して軌道に乗ると年間約770億円(約7億ドル)の収入を試算。

同社によると、2021年までに希薄化後一株当たりの利益が7.65~8.50ドル(約840~930円)になり、株主への配当総額は今後3年間で、約1兆400億~1兆2000億円(95億~110億ドル)を上回る可能性があるという。

執行副社長兼CFOのリーニ―・オバーグ(Leeny Oberg)氏は「スターウッドが加わった我々の新三か年計画は、手数料収入ベースやアセットライトのビジネスモデルがいかに強力で長期的なキャッシュフローを生み出すかを実証する。これによって、我々は主幹ビジネスへの投資で高い収益率を得られ、株主には相当な資金を還元できる」と述べた。

マリオットは2016年に競合ホテルチェーンのスターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドの買収を完了、グループ全体としてのホテルブランド数を大幅に増やしている。



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