民泊禁止期間などの指定を 観光庁の自治体向けの指針案が明らかに

観光庁の民泊について策定を進めている自治体向けの指針案が判明したと9月8日、時事通信が報じた。自治体が条例で民泊を制限する際、営業禁止期間などを指定するよう要請、その際は具体的な日数を定めない形も認めるという。観光庁では2017年度中にも、指針案をまとめる方針だ。

禁止区域・期間の具体例
・学校、保育園の周辺地域
・長期休暇中を除く月曜日から金曜日
・山間部にある集落
・紅葉の時期や例年渋滞が発生する時期

民泊をめぐっては、2017年6月に住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)が成立。2018年6月をめどに施行され3か月前となる2017年3月から事業者登録が開始される。民泊新法では営業日数の年間上限を180日に規定しているが、この年間営業上限日数に対して条例でさらに日数を短縮するなどのルールを自治体が独自に定めることができる。

現状では北海道長野県などの複数の自治体が、180日の上限日数を短縮させる方向での検討を行っている。民泊利用者のモラルを問う問題やトラブルも数多く発生しており、住環境の悪化を防止することが狙いだ。

 

新法施行とインバウンドの増加で更なる加速となるか

民泊新法施行まで1年を切った現在、全国各地で民泊の施設が増加している。現状では民泊の営業には旅館業法による許可(特区民泊の認定)が必要だが、民泊新法では届出制になり、住宅地でも営業できるなど大幅に規制緩和される。2016年のインバウンド(訪日外国人)が過去最多の2,400万人を突破するなど外国人旅行者が急増する日本で、今後も民泊需要がさらなる加速を続けていくことは確実だ。

ただその一方で、各自治体の条例によって民泊に関する制限を強化することになれば、民泊事業参入のハードルを下げる民泊新法が本末転倒になりかねない。年間180日の営業日数で、民泊事業者が事業として採算ラインに乗せられるかという問題もあるが、日数制限をさらに厳しくした条例が制定されれば、事業者にとって一段と厳しさを増すことになる。

当然、地域住民の従来の住環境を維持することは最優先項目で、民泊の解禁によって地域の環境悪化を避けなければいけない。観光都市・北海道では、道による初の民泊の有識者会議を8月30日に開催し、弁護士、観光業界、行政の関係者が出席して意見交換した。

今後、民泊事業者や地域住民ら双方のコンセンサスを得るため、議論や話し合いを含めて、地方創生の一つの柱となる民泊を考えていくことが大切だ。