民泊仲介サイトのAirbnb(エアービーアンドビー)はこのほど、米国フロリダ州で自社ブランドのアパート運営に向けて動き出したと発表した。
Airbnbはマイアミの不動産開発業者、Newgard Development Group(以下、Newgard社)と連携し、同州キシミー市に324ユニットを建設する。同社にとって初となる自社アパートは「Niido powered by Airbnb」と名付けられ、2018年の第一四半期にオープンする予定だ。
このアパートの最大の特徴は、借主が旅行などで自宅を留守にする期間、民泊物件として第三者にまた貸しできる点だ。Airbnbアプリで民泊の予約受け付けが可能となり、借主は借りている物件を年間180日間までまた貸しすることが認められる。キーレスエントリーなどの設備が整ったサービス付きアパートで、清掃や荷物保管などのコンシェルジュサービスが付随するという。
Airbnb社はアパートのデザインなどには関与するものの、所有権はNewgard社が持つ。民泊として得られる収入の分配は、Newgard社が25%、Airbnb社が3%、残りが借主になるという。
長期戦略として不動産開発業者や管理会社と連携
2008年の創業以来、Airbnbは世界192か国で400万を超えるリスティングを掲載し多くの旅行者に利用されている。その一方で一部の国や都市では、一般の賃貸家賃の押し上げ、近隣住民とのトラブルなどが問題となることもあった。Airbnbが今回スタートする本プロジェクトはそれらの問題の一部を解決するとともに、不動産開発事業者や管理会社と連携したことで双方にwin-winの関係が構築されることも期待される。
「私たちは健全なホームシェアリングが行われるよう努めている」というAirbnb社のグローバルパートナーシップディレクター、Jaja Jackson氏は「家主とデベロッパー、Airbnbが互いにうまく協力し合えることをこのプロジェクトが示している」と本プロジェクトに対する意気込みを語った。
Airbnbの自社ブランドアパート、2年で2千室供給へ
一方、Newgard社は今後2年間にわたってAirbnb物件の2千ユニットを建設する予定。現在、両社は共同でアパート5案件の開発にとりかかっており、同社CEOのHarvey Hernandez氏は「最適なエリアと理想的なデザイン」を模索しているという。「我々のターゲット層はかつてないほどに旅行をするようになった」とし、「自宅が空いていれば、それを活かして稼ぐことができる」と語った。