ホテル・不動産ユニコーンの OYO Hotels & Homesは、欧州地域における民泊・バケーションレンタル事業拡大に向けて、約350億円(3億ユーロ)を投資すると発表した。
OYOは、2019年5月にドイツ大手メディアのアクセル・シュプリンガー(Axel Springer)から欧州のバケーションレンタル・民泊大手の@Leisure Groupを約463億円(約4億1500万ドル)で買収。
@Leisure Groupは、Belvilla、Danland、Dancenterといった同社ブランドを通じてヨーロッパ13カ国で約11万5000物件、全世界では約30万室を有し、年間で118カ国約280万人の旅行者が利用するバケーションレンタル企業。また、同社の別ブランドTraum-Ferienwohnungenでは、定期契約ベースの住宅管理サービスを、世界50か国で85,000件を超える住宅向けに提供している。
声明の中で、OYO Vacation HomesのCEOであるトビアス・ワン氏は、「フルサービスのバケーションレンタル事業最大手になるという当社のビジョンに向け、市場での立ち位置強化のために多額投資を行う。またOYO Home、Belvilla、Dancenterの各ブランドの価値向上を目指している」と述べた。
トビアス・ワン氏よると、OYO Vacation Homesはヨーロッパ最大のバケーションレンタル事業者となることを目指し、今後も市場シェア拡大に向けた重要な投資を行う予定だという。オランダに本社を置くOYO Vacation Homesは、スイス、スペイン、イタリア、オランダ、フランスなどヨーロッパ各地に拠点を構えている。
巨額の買収と投資で民泊・バケーションレンタル分野でも急成長
世界最大の統計ポータルサイトのStatista(スタティスタ)によると、ヨーロッパにおけるバケーションレンタル市場規模(2019)は約2兆750億円(186億ドル)で年間成長率は約7%で成長が続く。
ヨーロッパにおける旅行業界の動きは慌ただしく、2019年4月にはベルリン発のトラベルスタートアップ、ゲットユアガイド(GetYourGuide)がSoftbank Vision Fund (ソフトバンクビジョンファンド)等から約620億円(5億ユーロ)にも及ぶ大型の資金調達を行ったばかり。
OYOの最高戦略責任者マニンダー・グラチ(Maninder Gulati)氏は「ヨーロッパだけでもバケーションレンタルの需要は増え続け、一軒家を予約する傾向が強まっている。この買収でOYOのビジネスチャンスは限りなく広がる」とコメントした。
創業6年の OYOは、このほど、展開するホテル客室数を110万室に拡大し、客室ベースで世界第2位のホテルチェーンになったことを発表。ビックデータやAI(人工知能)といった最先端のテクノロジーを活用することで物件の契約締結にかかる時間を大幅に短縮。驚異的なスピードでの世界展開を進められるのが特長だ。
毎月9万室のペースでホテル客室を増やしていることから、数か月で世界最大のホテルチェーン マリオット・インターナショナルを抜きホテルチェーン世界第一位となるなど、快進撃が止まらない。
民泊・バケーションレンタル分野でも、約463億円での@Leisure Group買収に加えて、さらに約350億円を追加投資し、ヨーロッパのバケーションレンタル事業においても快進撃を続けるようだ。