米決済大手ペイパルは14日、急増する訪⽇外国人観光客への決済時におけるサービスの向上の一環として、外国人向けの事前決済サービスで日本旅館協会と業務提携したことを発表した。ペイパルは、日本旅館協会の会員施設が自社サイトでペイパル決済を導入できるよう、全面的にサポートしていく。
ペイパルは、インターネットを利用した決済サービスを提供する米国企業。現在では202の国と地域で、100通貨以上での決済、57通貨で銀行口座への入金、26通貨での支払いの受け取りが可能なネット決済のグローバルスタンダードとなっている。
一方、日本旅館協会は旅館ホテル業の健全な発展を図ることを目的として設立された協会。2016年5月10日に「鶴雅グループ」がペイパルを導入したのを皮切りに、旅館をはじめとした宿泊施設においてペイパルの導入が拡大している。
ペイパルと旅館協会の提携により、旅館で問題となっていた直前キャンセルや当日キャンセルといったトラブルのリスクを減らすことができるだけではなく、宿泊客の個人情報を直接取り扱う必要がなく、個人情報の流出や不正利用被害等のリスクが軽減されるメリットがある。
2016年4月の訪日外国人観光客は、日本政府観光局によると208万人となり2ヶ月連続で単月200万人を突破。訪日外国人旅行者の数はまだまだ伸び続けている。当初の政府目標である2020年までに2,000万人は2016年に達成確実だ。
訪日客の増加が予想される中で、インバウンド対策で遅れをとっていた旅館等では外国人向けのサービスの拡充が急務になっていた。