別府温泉の老舗ホテル「ホテル三泉閣」、大分地裁に自己破産を申請 負債総額9億円

別府温泉の老舗ホテル「ホテル三泉閣」は新型コロナウイルスによる経営不振に伴い、 6月 6 日をもって事業を停止したことを明らかにした。近く、大分地方裁判所へ破産を申し立てる。帝国データバンク大分支店などによると、負債総額は 9 億円。

ホテル三泉閣は、総客室数 67 室、1953 年創業の老舗旅館。JR別府駅から徒歩 8 分の立地でアクセスが良く、露天風呂付き客室などを売りとする温泉旅館で、バブル期には社員旅行による団体客で賑わい、近年は韓国や台湾など外国人観光客も多く訪れていた。

自家源泉からの豊富な湯量を持ち、循環や塩素殺菌もしていない本物の源泉掛け流し温泉を使用。源泉かけ流しの足湯のほか、最大 200 名収容できる大広間など大小 14 の宴会場も利用できることから家族旅行やグループ旅行など様々な用途で利用されていた。

別府のシンボル「別府タワー」前の老舗ホテルとして親しまれていたが、団体旅行客の規模縮小や日韓関係の悪化、2016 年の熊本地震などで経営状況が悪化。

そこに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請等により一段と客足が遠のいたことで、負債の返済など資金繰りも極めて事業継続が困難となり、事業停止となった。



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