Airbnb社はこのほど、米国オレゴン州のポートランド市で2017年1月以来、524件のAirbnb物件を登録削除したと発表した。同じホストが異なる住所で複数物件を運営してはならないという同社の「1ホスト1物件」ポリシー(One Host, One Home policy)を侵害したのが主な削除の理由。ポートランドメディアの「WILLAMETTE WEEK」が報じた。
「1ホスト1物件」ポリシーとは、ポートランドやサンフランシスコ、ニューヨークにおいて、一人のホストが複数の住所のリスティングを持つことを制限するAirbnbのポリシーのこと。仮に「1ホスト1物件」ポリシーの対象都市で別の住所のリスティングを公開しようとした場合、そのリスティングの削除を求められることになる。
既に持っている住所に新たなリスティングを加える場合、住所が完全に一致していなければならない。例えば、現在のリスティングが”123 Main Street”であるなら、新たなリスティングも”123 Main Street”と記載する必要がある。”123 Main”や”123 Main St”としても掲載できないようになっている。
物件数の急増に対し、Airbnb社は調査方法を疑問視
世論調査などを扱うウェブサイト「FiveThirtyEight」が1年前、年間180日間以上の宿泊予約があった物件を対象に米国内の民泊物件の調査をした際、物件数では2.700件を有するポートランド市が上位にランクイン。現在、同市のAirbnb物件数は4.500件にまで増加している。
一方、Airbnb社広報のLaura Rillos氏は「FiveThirtyEight」の調査方法を疑問視する。「予約日数を基にした調査では、居住用物件として利用可能な件数を正確に割り出せない。また、数字にB&Bやブティックホテルが含まれている場合もあり得る」と指摘。
さらに「望まれていない民泊物件に対して対策を行う必要があるのは認識しており、今回も弊社の1ホスト1物件のポリシーに沿って524件を削除した。これらの問題をさらに効果的に解決するためにも、ポートランド市と協力してホームシェアに関するルールの包括的な修正に取り組みたい」と、Rillos氏は述べた。