TripAdvisor、Googleの旅行市場参入による競争激化により数百人規模の人員削減へ

昨今、米検索エンジン大手の Google(グーグル)が旅行市場における口コミやフライト予約、ホテル予約など各旅行サービス領域で存在感を発揮し始めている。この影響が既存のオンライン旅行サイトにも出始めているようだ。

世界最大級の口コミプラットフォームの TripAdvisor(トリップアドバイザー)は、Google との競争激化により数百人規模の人員削減に動いていると Bloombirg などの米メディアが報じている。Bloombergがまとめたデータによると、同社の9月末時点での従業員数は 3,800 人強である。

TripAdvisor の広報担当者はコメントを控えているが、同社は直近の決算発表時の電話会議において、「採算を確保するため事業の一部について、慎重にコスト削減を行いリソースの再配分を行う」と述べている。

Google は2019年3月に、宿泊施設の検索に特化した Google ホテル検索を大幅にアップデートし、オンライン予約サイトを彷彿させるUIでホテルを探せるようにしたほか、またホテルに加えてフライト検索もシームレスに利用できるようにした。

Google による旅行分野への本格参入により、旅行関連クエリで上部に露出しにくい状況になりつつあり TripAdvisor を含む多くのオンライン旅行サイトは、トラフィックを維持するためにGoogle に対し多くの広告費を投じざるを得ない状況にある。

 

TripAdvisor 株価 20%超の急落後も低迷続く

TripAdvisor の株価は、第3四半期決算を開示した後の 11 月初めから 20% ほど下落しており、いまだに株価は低迷している。

同社は「Googleが自社のホテル商品を検索結果に表示させることで、通常なら無料で検索上位に上がり質の高いアクセスを集めるサイトからアクセスを奪っている。またホテルのクリックベースのオークション広告により、Googleは高い利益を生み出している」と説明している。

TripAdvisorのCEOであるStephen Kaufer氏は「Googleは旅行領域について、依然として積極的なスタンスを取っているが、現在の状況が簡単に変わることはない」と述べた。

近年の Google による旅行領域への積極的な投資及びサービス投入が、オンライン旅行会社の業績にも影響を与えはじめている。特にインターネット検索における Google の影響力は圧倒的であり、TripAdvisor のような大手旅行サイトであっても、Google の攻勢に苦戦を余儀なくされているようだ。



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