イールドマネジメント 民泊物件の買い取りを開始

民泊代行サービスを手掛ける株式会社イールドマネジメントは10月2日、民泊物件の買い取りサービスを開始すると発表した。民泊需要が高まりを見せる反面、急成長する市場スピードにサービス品質が追い付かずトラブルも発生することも増えてきていた。

イールドマネジメントでは、手間が多く事業から撤退したい、運用・清掃の品質が高い会社に引き継ぎたいという民泊代行会社や不動産オーナーからの要望に対して、民泊物件の買い取りを行う。

イールドマネジメントでは民泊施設の売却についての相談・出張料・査定について無料で対応しており、オンライン査定は24時間受け付けているという。

民泊物件を運営する上で難しいのは、売却のタイミングと言える。採算が合わず、売却したくても予約が入ってしまっているケースも当然少なくないだろう。このような場合でもイールドマネジメントが丸ごと物件を引き取り、運用や清掃などの業務を代行する。

【イ社の買い取りの流れ】

  1. 電話やオンラインで物件買い取りを申し込む
  2. リスティングURLなどの情報を基に、概算査定額を提示
  3. スタッフが現地で物件を査定し、正式な査定額を提示
  4. 査定額に納得いけば契約成立
  5. 契約から最短1週間以内に指定口座に買い取り額を入金

イールドマネジメントの買い取りは現在、東京、京都、大阪、福岡の民泊の盛んな地域をメインに展開。これ以外の地域については、物件の状況や管理方式によって買い取りが可能になるケースもある。

 

イールドマネジメントの買い取り事例

▽東京
18万円:五反田駅徒歩8分・1K・運用期間1年2カ月
23万円:日暮里駅徒歩5分・2LDK・運用期間6カ月
35万円:中野駅徒歩6分・3LDK・運用期間2年3カ月
▽大阪
29万円:谷町6丁目駅・2LDK・運用期間1年8カ月
30万円:大正駅徒歩8分・1LDK・運用期間1年3カ月
33万円:今宮駅徒歩10分・3DK・運用期間8カ月

2016年のインバウンド(訪日外国人)は過去最多の2,400万人を突破しており、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、政府が4,000万人のインバウンドを目標値に掲げるほど急上昇している。さらに、2018年6月をめどに施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)の規制緩和を控え、民泊施設が急激に増加中。民泊業者による生き残りをかけた、まさに戦国時代に突入したといえるだろう。

高品質なサービスの提供、設備の更新など民泊運営もトレンドを意識した経営感覚が必要だ。これまで兼業で行っていた個人の民泊運営が、限界になりつつある。家賃や月々の経費などのランニングコストに売り上げが追いつかず、キャッシュフローが悪化して撤退する民泊業者・個人も増加している。

民泊市場が急速に活性化する一方、それと同じく淘汰(とうた)される施設も増加していく。イールドマネジメントのような民泊の出口戦略を見据えたサービスが、今後も新たに出てくる可能性はありそうだ。



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