Airbnbは、重要な変更や新製品の発表時には、全世界で一般公開する前に、一部のユーザーに限定して事前テストを行うことがよく知られている。
そのAirbnbが、新たな重要な変更を計画していることがわかった。その変更計画とはキャンセルポリシーの変更とそれに伴うホスト手数料の変更だ。これらの変更は、Airbnbホストをホストを満足させるようなものではないようだ。
新キャンセルポリシーは、今現在日本を含む全世界では適用されておらず、イタリア国内のみでスタートしているにとどまる。
なお、Change.orgではイタリアホストの有志が「Airbnb’s NEW cancellation policies are ABSOLUTELY WRONG(Airbnbの新しいキャンセルポリシーは間違っている)」の賛同者を求めている。
キャンセルポリシーの変更内容とは
All About Airbnbによると、新キャンセルポリシーは以下のような変更が加えられる見込みだ。
・各規約には猶予期間があり、宿泊客がキャンセルでき全額返金される予約確定前の期間である。
・「普通」および「厳格」ではサービス料金3%からそれぞれ4%、5%への引き上げが含まれ、キャンセルによって生じる損失からの更なる保護を配慮している。
・旅行前のキャンセルはサービス料金を請求しないものとし、実際に全額返金する。
イタリアで適用されているキャンセルポリシー
新キャンセルポリシーは、以下の通り2016年10月18日よりイタリア国内で行われる全予約に対して適用になっている。なお、日本国内では従来のキャンセルポリシーのままで変更にはなっていないが、今後、新キャンセルポリシーが全世界で適用される可能性はある。
今現在、イタリア国内のみで適用になっているキャンセルポリシーは以下のようなものだ。
柔軟 | 宿泊24時間前までにキャンセルすればサービス料を含め100%返金。24時間を切ってからキャンセルした場合、最初1泊分の宿泊料金はサービス料を除き返金不可となります。 |
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普通 | 宿泊7日前までにキャンセルすればサービス料を含め100%返金。宿泊まで7日を切ってからキャンセルした場合、宿泊料金の50%とサービス料の全額が返金されます。 |
厳格 | 宿泊30日前までにキャンセルすればサービス料を含め100%返金。30日を切ってからキャンセルした場合、宿泊料金の50%とサービス料の全額が返金されます。 |
長期滞在 | 宿泊30日前までにキャンセルすればサービス料を含め100%返金。30日を切ってからキャンセルした場合、最初の1ヶ月分の宿泊料金は返金不可となります。28泊以上のご予約にはすべて「長期滞在」のキャンセルポリシーが自動的に適用されます。 |
旧キャンセルポリシーとの比較
Airbnbのキャンセルポリシーには、「柔軟」「普通」「厳格」がある。(他にも「かなり厳格」などのキャンセルポリシーもあるが、一部の限定されたホストしか利用できないため、ここでは割愛する。)
「柔軟」では、旧ポリシーと大きな違いはない。「普通」では、50%返金の開始日が従来の到着5日前から到着7日前に変更になっている。旧ポリシーでは6日前にキャンセルすると、100%ゲストに返金されるが、新ポリシーでは50%の返金に減額される。
ホストがもっとも利用している「厳格」では、50%返金の開始日が従来の”予約直後”から”到着30日前”に変更になっている。旧ポリシーでは90日前にキャンセルすると、50%の返金をゲストは受けれたが、新ポリシーでは100%ゲストに返金されることになる。
新ポリシーでホストの受取金は減る見通し
旧ポリシーの「厳格」では、予約さえ入ればいつキャンセルされても最低50%の宿泊料金をホストは受け取れる。特に到着1週間よりも直前にゲストがキャンセルすれば、100%の宿泊料金を受け取れるのだ。
しかし、新キャンセルポリシーでは、到着31日よりも手前にゲストがキャンセルすれば100%返金されてしまうため、一切宿泊料金を受け取れなくなる。
また到着3日前などの直前キャンセルの場合、旧ポリシーでは一切ゲストに返金されないため100%の宿泊料金を受け取ることができたが、新ポリシーでは最大でも50%となってしまう。
ゲストに優しい制度へ
旧ポリシーでは、キャンセルの日時にかかわらずAirbnbサービス手数料は、一切返金されなかった。たとえ120日前の予約でも、宿泊料金は全額返金されるもののAirbnbサービス手数料は返金されなかったのだ。
しかし新ポリシーでは旅行前キャンセルの場合は、サービス手数料は全額返還される。厳格ポリシーも以前より全額返金されるような変更になるため、ゲストに優しい制度になりそうだ。
現段階では、新キャンセルポリシーがグローバルに提供されるのかは不明であるが、イタリアでのトライアル結果によってはグローバルに適用される可能性は残されており、今後の動向から目が離せない。