Airbnb、不動産仲介大手のCentury21と業務提携で新施策 民泊許可オーナーにも収益還元

民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(エアービーアンドビー)は、不動産仲介ネットワーク世界最大手のCentury21(センチュリー21)と業務提携しフランスパリで民泊ホストの収益の一部を物件オーナーにも還元する新施策を実施することを明らかにした。

Airbnbとセンチュリー21の共同事業では、まず転貸で民泊を行いたいホストがセンチュリー21に申請。申請を受けたセンチュリー21はオーナーから民泊許可の同意を取り付けたあと必要な行政手続きを行う。

ホストは合法的に民泊運営を行う傍ら、民泊の収益のうち70%は民泊ホストに残し、23%は物件オーナーに7%はセンチュリー21に分配する仕組み。

これまでマンションなどで行われている民泊の場合、民泊として貸し出しているオーナーは収益を得ることができる一方で、近隣住民は不特定多数の人の出入りが増えるなどのデメリットしかなく近隣住民の理解を得るのは難しかった。

しかし、Airbnbとセンチュリー21が新しく開始する共同事業では、同一マンション内の近隣住民にも間接的に民泊収益の一部が還元されることで、以前よりも民泊営業に対する理解を得られやすくなる。

1971年にアメリカで誕生したセンチュリー21は、現在世界74ヶ国、地域に7100店舗、10万人の従業員数を擁する世界最大級の不動産仲介ネットワーク。日本では、1983年に伊藤忠商事がセンチュリー21・リアルエステートと提携しセンチュリー21・ジャパンを設立している。

AirbnbとCentury21の共同事業は、フランスのパリで実証実験としてスタートし、順次フランスの852支店へと拡大を予定。今後は日本で展開される可能性は考えられる。

▼AirbnbとCentury21の共同事業

 

Airbnbの新施策、センチュリー21との提携で着々と拡大へ

Airbnbが今回発表した本枠組み自体は目新しいものではなく2016年から「Airbnb フレンドリービルディングスプログラム」として展開されているもの。

本プログラムでは、転貸での民泊ホストと物件オーナー、管理組合との間で全員が合意できるホスティング運用ルールを策定し、借主による民泊営業を許可する方向で賃貸契約書などの改定を促し、3者間での収益分配をサポートする。

Airbnbのホスティングを歓迎するビルオーナーや管理組合のためのプログラムとして提供されているもので、Airbnbも日本語のヘルプページを用意しているが、日本国内ではまだ開始されてない。

しかし海外ではすでに先行事例があり、2017年にはAirbnbなどの民泊ホスト向け予約管理ツールを提供するPillowと業務提携し早くから「Airbnb フレンドリービルディングスプログラム」を開始している。

Pillowが提供するダッシュボードでは、物件オーナーは物件のどの部屋がAirbnbで貸し出されているか、またAirbnbで貸し出されている部屋でのゲストごとの宿泊期間を把握することができる。



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