韓国でもAirbnbが急成長。利用者は前年比2倍

Airbnbは6月5日、韓国・ソウルで記者会見を行い、2016年に韓国でAirbnbを利用した外国人観光客が51万人に上ったことを明らかにした。2015年の22万人に比べて約130%の増加となった。Airbnbが韓国の経営状況を発表したのは初めて。

Airbnbが韓国でも勢いを増していることが証明された形だ。韓国全体の外国人観光客は約1,500万人で、Airbnb利用者は3.3%にすぎないが、利用者の伸び率が急上昇している。その背景には個人旅行客の増加にともない、現地での生活を経験する体験型の旅行形態にシフトしていることが挙げられる。韓国人を含めたAirbnbの韓国のトータルでの利用者数は、101万人にも上っている。

韓国には歴史的な建造物も多く建ち並び、歴史や文化に興味を持つ外国人も多い。欧州の城や聖堂などの重厚な歴史的建造物に比べると、韓国では鮮やかな色彩の建造物も数多い。さらには伝統的な衣装なども含めて、欧米とは趣の異なる歴史・文化が特徴的だ。これに興味を持つ外国人旅行客が、Airbnbなどの体験型宿泊にシフトしている傾向が顕著に表れている。

韓国の外国人旅行者で約47%と最多の中国人は、Airbnb利用が20.3%にとどまる。GNP(国内総生産)が米国に次ぐ2位に経済大国だけに、富裕層の団体客の増加などがAirbnb利用を反映していない形だ。シンガポール、マレーシア、フィリピンの東南アジアの各国・地域では、Airbnbの利用が23%で中国を上回っている。米国は16.2%となっている。

Airbnbのマイク・オギルアジア太平洋政策総括代表は「Airbnbは韓国をもっと知りたいという、ツアーにはない自由さを好んでいる旅行客に支持されている。中国は団体の観光客が多いため、Airbnbの利用率が低い」と分析。さらに「韓国でAirbnbが成長するほど、観光客の国籍もさまざまで、観光の“多角化”にもつながるだろう」と見通しを語った。

Airbnbの利用者増で、韓国経済への波及効果にもつながると、オギル代表はみている。2016年に旅行客を受け入れたことがあるホストは9,800人で、2015年の5,300人に比べて4,500人も増加した。平均で400万ウォン(約40万円)の収入になり、韓国内のAirbnbのトータルの経済効果は5,315億ウォン(約525億円)にも上ると、Airbnbが明らかにした。

Airbnbが韓国でさらに発展するには、サービスの良化に加え、日本と同じように法整備が課題になる。Airbnbが定める基準や各種レギュレーションの順守など、サービス体制が均一化されていない現状の克服などもAirbnb発展のカギになる。



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