Airbnbは、モルガン・スタンレーから9千4百万ドルの株を買戻したとBloombergが報じた。スタートアップ企業が投資家より大規模な株の買戻しを行うのは初めてのこととみられる。
BloombergとCrunchBaseによると、Airbnbは2014年4月にシリーズDの資金調達ラウンドで4億7500万ドルを調達し、当時のバリュエーションで約1兆円がついていた。セコイア・キャピタル、T.Rowe Price、Andreessen Horowitzなどと共にモルガン・スタンレーも参画したもよう。
エアーディー・エヌ・エージャパン(https://airdna.jp) によると、2014年8月当時はAirbnbに登録、稼働している物件数は44万室、月次ベースで20%ー50%の伸びを記録していた。
しかし最近は、ニューヨークやサンフランシスコでのAirbnb規制の影響もあってか2016年は伸びも鈍化し、最近では約150万室で高止まりしていた。
《関連サイト》
Airbnb Buys Back $94 Million in Stock From Morgan Stanley
前代未聞の株買い戻しの理由とは
通常、ベンチャー企業は成長への投資に資金が必要なことから、投資家から株の買い戻しはほとんど見受けられない。シェアリングエコノミー関連のスタートアップ・ユニコーンを含むベンチャーでも初めての事態とみられる。
また、先日の記事でも紹介したが、同社は中国2番手の小猪(xiaozhu.com)の買収観測がでている。民泊専門メディアAirstairは、同社の価値は1000億円はくだらないと見ている。
Airbnbは2016年9月に5億5500万ドルを調達、2016年6月にはJPモルガン・チェース銀行から10億ドルの借り入れによる資金調達を行っている。
2016年11月にはロサンゼルスで開かれたAirbnb Openで、新サービス「トリップ(Trips)」の発表が行われているように、引き続き同社には成長資金が必要であることは明らかだ。
今回の買い戻しの理由としては、株主数をコントロールするという目的には思えず、モルガン・スタンレーによる利益確定の要素が強いとみられる。
《関連サイト》
Crunchbase Airbnb