消費増税とホテル業界 軽減税率からポイント還元までホテル業界に関わる消費増税を徹底解説

10月1日から消費税率は8%から10%に引き上げられる。消費税が8%になったのは2014年4月のことで今回の消費増税は5年ぶりだ。これまで消費税は原則として単一税率であったが、今回の消費増税では初めて軽減税率による複数の税率が適用されることになる。

日本では消費税率を10%に引き上げる際、低所得者層の負担を軽くすることを目的に、スーパーなどで売られる飲食料品(食品表示法に規定、酒類除く)や新聞などの軽減税率対象品目の消費税率を8%のまま据え置く。

軽減税率についてはホテル業界も無縁ではない。ルームサービスと客室冷蔵庫で消費税率が変わるなどその影響を大きく受けることになる。今回は、ホテル業界の消費増税(軽減税率)について詳しく解説していく。

 

軽減税率制度とは

軽減税率とは、低所得者対策を目的として特定の品目の消費税率を一般的な消費税率より低い税率を適用すること。日本でも初めて10月1日から「酒類」「外食」「医薬品」「ケータリング・出張料理等」を除く飲料食品と定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞を対象に消費税の「軽減税率制度」が実施される。

外食と加工品の線引きが理解しにくと言われるが、外食の定義を取引の場所と態様(「サービスの提供」有無)を明確にすることにより、軽減税率なのか標準税率なのかを分別する。

例えば、牛丼屋やハンバーガー店での「店内飲食」は、事業者が顧客に対して店内で飲食できるサービスを提供するものであることから、「外食」にあたり標準税率の10%が適用される。一方で、「テイクアウト」の場合は、単に飲食料品を販売するものにすぎないことから、「外食」にはあたらず、軽減税率(8%)の適用対象となる。

「知ってほしい!軽減税率制度のこと」より

 

ルームサービスと客室冷蔵庫で税率に違い

軽減税率による複数税率は、ホテル業界にも大きな影響を及ぼす。ホテルでは、宿泊客からの求めに応じて料理や飲み物などを客室へ用意するルームサービスやホテルの部屋に備えつけの冷蔵庫内で飲料を販売するケースも多い。

今回導入される軽減税率では、ルームサービスと客室冷蔵庫で税率に違いが生じる。ルームサービスは、ホテル側が用意した客室内テーブルやイスなどの飲食設備がある場所について飲食料品を飲食させる行為となることから、標準課税の10%が適用される。

一方で、客室冷蔵庫内の飲料を販売する場合には、単に飲食料金を販売するものであることから、軽減税率の適用対象となる。ただし、冷蔵庫内であっても、酒類に該当するものは、軽減税率の適用はできないことから、10%が適用されるほか、冷蔵庫内の飲食品をルームサービスで追加購入した場合は、10%が適用される。

なお、館内レストランやホテル内会議室での飲食については「外食」とみなされ、軽減税率の対象とならず標準課税の10%が適用される。

 

キャッシュレス決済導入で、最大5%のポイント還元

10月1日にスタートするのは消費増税だけではない。増税による消費落ち込み対策として、キャッシュレス決済を行った場合に最大5%のポイントを還元する国の補助金事業(キャッシュレス・消費者還元事業)をスタートする。

最大5%のポイント還元対象店舗となるためには、事前手続きが必須。加盟店登録の手続きには2か月程度要するため、早めの申し込みが推奨されている。加盟店登録を行うことで、国の施策による宿泊客への最大5%のポイント還元に加え、クレジットカード決済手数料の負担減や負担ゼロでの決済端末導入といった恩恵を受けることができる。

なお、本事業は「中小・小規模事業者」を対象としたものであり、旅館業の場合は資本金5千万円以下又は従業員200人以下の宿泊事業者が対象となる。

9月2日現在で事務局審査を通過した最大5%還元の対象となる加盟店数は、全国合計で57万店舗あり、このうち「宿泊業」にあたる加盟店数は7千店舗となっている。

《関連記事》キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)とは

決済事業者向けパンフレット(経済産業省)より



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