アジアを舞台に訪日旅行事業などを展開するエボラブルアジアは7月6日、国家戦略特区の民泊物件の予約販売を開始すると発表した。東京都大田区(羽田地区)の物件で、同社が特区民泊の物件を扱うのは2016年5月以来、2度目となる。
エボラブルアジアが予約販売する物件は、不動産会社のAMBITIONが扱う特区民泊事業の認定を受けている羽田地区の物件。東京国際空港(羽田空港)に近く、インバウンド(訪日外国人)が利用しやすい宿泊施設とのこと。
同物件は民泊のCtoC(インターネット上の電子商取引)プラットフォーム・AirTrip(エアトリ)で予約販売する。併せて、7月6日付でエボラブルアジアがAMBITIONに対し、約4億円の資本出資を実施したことも発表した。
エボラブルアジアの今回の事業は、今年6月9日に発表したAMBITIONとの資本業務提携後、初の共同事業になる。旅行事業と不動産業のそれぞれ互いのメリットを最大限に生かし、今後も増加の一途をたどるインバウンドの民泊需要に対応していく。エボラブルアジアとAMBITIONの共同事業は、2016年5月9日に公表した第1号特区民泊物件の「セジョリ池上」以来となる。
両社は提携することで弱点を克服か
エボラブルアジアとAMBITIONの資本業務提携は、2018年1月をめどに施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)を見据えてのもの。規制緩和によって、さらに活性化する民泊市場を想定し、連携態勢を強固にして、事業を軌道に乗せていくことなどが狙いだ。エボラブルアジアのプラットフォーム・エアトリで、AMBITIONが開発・仕入・管理を行う民泊物件を積極的に取り扱っていくのが提携業務のメインとなる。
エアトリは今年4月、各自治体の許認可を受けた300件の適法民泊物件を掲載してスタート。携帯端末のiOSやAndroidの各アプリ、Webサイトにて主力サービスの「国内外航空券」「国内宿泊」の予約販売に加え、「民泊」サービスの予約販売も開始した。掲載エリアは全国の簡易宿泊所、特区民泊で、旅館業法に抵触するような無許可民泊の物件は扱っていない。
エボラブルアジアは2007年5月11日に設立。「One Asia アジアは一つとなり世界をリードする」をスローガンに「ITオフショア開発事業」「オンライン旅行事業」「訪日旅行事業」「投資事業」の4事業を展開している。AMBITIONは2007年9月14日に設立。賃貸不動産業、売買不動産業、プロパティマネジメント事業など不動産事業を手掛けている。
今後も両社のように、互いの利点を融合させ、ウイークポイントを補完し合うケースが出てきそうだ。スケールメリットを得るためにも、民泊市場を舞台にした異業種コラボに今後も注目される。