米検索エンジン大手のGoogle(グーグル)は、旅行プランニングツール「Google Travel」でフライトやホテルの予約から観光情報の提供に至る旅行サービスの拡充を強化している。旅行先の選定からフライト、ホテル予約、旅程スケジュール、現地のレストラン予約に至るまでGoogleですべて完結する世界が目前に迫る。
Googleは、2019年8月に旅行プランを自動生成するスマートフォンアプリ「Google Trips」のサービスを終了したが、アプリで提供されていたサービスは、Google TravelやGoogle Maps、Google 検索で利用できるようになり、Webからも容易にアクセスできるようになった。
Google フライトでは、フライト運賃推移を可視化し最適な予約タイミングを把握できるように改善したほか、旅行ガイドでは観光の目的となる都市の気温や人気度や観光スポット、旅行プランのサービス提供を行う。
本記事では、新しいサービスの拡充が続くGoogle Travelの全貌に迫った。
フライト運賃の「最安値保証」サービスも
一般的に航空券をネットで予約する際、指定した出発日でのフライト運賃を知ることはできる。しかし、フライト運賃は出発日や予約タイミングで日々変動することから、予約の最適なタイミングを知ることは難しい。
Google フライトでは、フライト運賃の価格帯を「標準的」「高額」「低額」の三段階で表示するほか、フライト運賃が日々どのように変化しているかの推移をグラフで可視化するサービスを提供。また一部の航空券については、過去数ヶ月間の料金の変動を示し、価格がすぐに上昇するか、下落するかを予測するサービスも提供する。
データは、出発地と目的地、経由地数、運賃クラス、航空会社がすべて同じ条件下で、同じ季節の同様の旅程を過去 12 か月間モニタリングした運賃に基づく。
さらに、Googleは、航空券を予約する際の信頼性を高めるため、フライト運賃の「最安値保証」サービスの提供を米国発の国内・国際線の一部で開始。8月13日から9月2日までの期間に予約されたチケットで今後価格が下がらないとの予測がなされた場合、Googleは価格が下落しないことを保証し、万が一下落した場合は差額を返金する。
Googleが旅の計画プランをアシスト
航空券を予約して、Gmailで予約確認メールを受け取った際、ユーザーがGoogle Travelにアクセスすると、ホテル、飲食店、観光名所など旅行先に関連したおすすめ情報を自動的に表示する。
「旅行」部分をクリックするとフライトがタイムラインに自動的に追加され、旅行のスケジュールを計画できるようにアシスト。万が一、フライト予約が取り込まれなかったとしても、予約済のフライト情報を簡単にタイムラインに追加することも可能だ。
またホテルを予約する際は、滞在するエリアに関する情報や客室料金の料金相場を知りたいもの。Googleによると今後数週間のうちに、Googleトラベルのデスクトップ版でその時期の同エリアでの平均宿泊料金や、観光情報を知ることができるようになる。
例えばパリ旅行を計画している場合、目的地と日付からホテルを検索した後、ホテルの検索結果の上部にある「Where to stay」をクリックすると、各地域の説明や同エリアでの平均宿泊料金などが表示され行き先の絞り込みに役立つ。
また、Googleは検索データを基にパーソナライズされたホテル検索結果を表示することで、滞在するのに最適な場所をピックアップするのをアシストする。
Googleは、旅行分野でのサービス拡充に現在注力している。新サービスの投入により、旅行予約の際や及び旅先で、より使い勝手のよい旅行者向けサービスを提供することになる。旅行分野においてGoogleがどのような新サービスを展開するか、今後も注目を浴びることになりそうだ。