政府は、対馬(長崎県)、屋久島(鹿児島県)など「特定有人国境離島地域」に指定する 15 地域 71 島を目的地とする旅行について、一人一泊5千円の支援策を検討していることが明らかになった。産経新聞が報じた。
政府の旅行需要喚起策「GoToトラベルキャンペーン」との併用も可能。新型コロナウイルスの感染拡大で冷え込んだ離島の観光業を活性化させることで、離島の無人化を防止する狙いがあるとみられる。
特定有人国境離島地域とは、有人国境離島法で指定された有人国境離島地域のうち、本土から特に遠くに位置しており、人口減少も著しく将来無人化するおそれがある地域。
小笠原諸島や八丈島(東京都)、礼文島、利尻島(北海道)、奄美群島(鹿児島県)など 15 地域 71 島が指定されており、地域社会の維持を図るため、関係地方公共団体等が実施する事業の経費の一部を補助するなど総合的な支援が行われている。
政府案では、特定有人国境離島地域を目的地とした旅行商品を企画した旅行業者などを経由し、旅行者が旅行商品を購入した場合、5千円分の割引支援を受けられる仕組みを想定。詳細については今後詰める。
自治体独自の観光支援を巡っては、東京都は、 東京都民が都内を観光する際に 1 泊 5000 円、日帰り旅行で 2500 円を補助する「もっと楽しもう!TokyoTokyo」(略称:もっと Tokyo)を開催。
各旅行業者から「もっと Tokyo」の対応プランが 10 月から発売されたが、GoToトラベルと併用した場合、旅行プランの組み合わせによっては宿泊代金が実質ゼロ(場合によっては実質黒字)で利用可能となったことで注目を集めた。
現在は、一部地域で新型コロナウイルスの感染が拡大するなど余談を許さない状況にある。離島地域の医療体制は脆弱で感染者が広がれば治療などの対応は困難を極めることから、十分な感染症対策が必要になりそうだ。