米大手オンライン旅行サイトのエクスペディアが2017年度第3四半期(7~9月)決算を開示し、HomeAway(ホームアウェイ)の業績が牽引し2割以上の増益となったことが明らかになった。取扱予約総額、売上高は10~15%の増加にとどまったが、利益面では約25%の増益を果たしている。
取扱予約総額221.9億ドル(約2.4兆円、前年同期比+11%増)
売上高29.6億ドル(約3,262億円、同+15%増)
営業利益4.8億ドル(約529億円、同+25%増)
純利益3.5億ドル(約387億円、同+26%増)
同社の好調な業績を牽引するのは、一棟貸し民泊(バケーションレンタル)サイトの「ホームアウェイ」。予約取扱い泊数は前年同期比+36%、売上は同45%増の3.5億ドル(約336億円)となり、予約数・売上高ともに同社全体に比べて約3倍の伸びを見せている。
民泊というとAirbnb(エアービーアンドビー)の取り扱う住宅の空き部屋を貸し出す民泊のイメージが強いが「ホームアウェイ」ではリゾート地を中心に、別荘など建物の一棟貸しの仲介サービスを世界中に展開。
世界190ヵ国以上で200万件以上のユニークな物件が登録されているバケーションレンタルサイトで世界23言語、50サイトを展開しており月間の利用者は4,000万人を超えている。
昨今、民泊サービスの利用者が増えていると言われるが、「ホームアウェイ」は予約数、売上高ともに伸ばしており、急速な市場拡大を見ることができる。旅行時の宿泊先の選択肢として、ホテルを予約するように、一棟貸し民泊の利用も、旅行者の選択肢の1つとして入りつつあると言える。
ホームアウェイ以外の事業部門も拡大しているが、同部門の存在によりエクスペディアは更に成長が加速する形となった。
ホテル価格比較サイトの「トリバゴ」は不調
多くのグループ企業を抱えているエクスペディアであるが、今第3四半期はホテル価格比較サイトの「トリバゴ」が不調だ。売上高自体は+17%と堅調に推移したものの、広告コストの増大が影響し、最終利益は800万ドル(約9億円)の赤字となった。
「トリバゴ」はネット広告特化のマーケティングをリスクと捉えており、ネット以外の媒体において積極的な広告展開を行っている。日本においてTVCMを積極的展開しているが、海外においても同様のマーケティング戦略を取っている。