訪日客、2月は58%減の108万人 中国からの訪日客は 87%減 新型コロナウイルスの影響で

日本政府観光局(JNTO)が 3 月 19 日に発表した 2020 年 2 月の訪日外国人客数は前年同月比 58.3% 減の 108 万 5100 人で、過去2番目に大きな減少幅を記録した。前月の 2020 年 1 月の訪日外国人数は、 266 万 1000 人でありたった1カ月で急減したことになる。

新型コロナウイルス感染症が拡大した中国からの訪日客は、前年同月比 87.9% 減の 8 万 7200 人。2020 年 1 月は 92 万 4800 人であり、たった1カ月の間に様相が一変した。

中国では、政府通達により 1 月 27 日から団体ツアー及び航空券とホテルのパッケージ商品の販売を禁止。さらに、一時運休・減便による航空座席供給量の減少、クルーズの運航停止もあり、訪日者数は前年同月を大幅に下回った。

日韓関係悪化の影響で 2019 年夏から大きく落ち込んでいた韓国訪日客も、新型コロナウイルスの感染拡大による煽りを受け、前年同月比  79・9% 減の 14 万 3900 人となった。8 カ月連続の減少となり、下げ幅は前月の 59.4% よりさらに広げた。

また、台湾では日本への渡航警戒レベルを 2 月 14 日付けでレベルを1に、2 月 22 日付で「警戒」(防護措置の強化)レベルに引き上げたことを受けて、前年同月比 44.9% 減の 22 万 400 人となった。

ほかにも、香港(35・5% 減)、タイ(9.1% 減)、シンガポール(24.9% 減)、米国(20・8%減)など多くの国で、訪日や海外旅行、ビジネス出張等を控える動きが広がったことで、1カ月で訪日客は急減した。

政府観光局によると、 訪日外国人数における前年同月比 58.3% という減少幅は、東日本大震災直後の 2011 年 4 月の 62.5% 減に次ぐ大きな減少となる。

 

訪日客、2 月より悪化の 3 月はさらに悪化する恐れも

2020 年 2 月の訪日客は、前年同月比で約6割減となる大きな下落幅となったが、2020 年 3 月の訪日客はこれより状況が悪化する可能性がある。

日本政府は、 3 月 9 日から中国、韓国全土からの入国を制限。日本人を含む入国者には、検疫所長が指定する場所に 2 週間待機するよう要請しており、当面は3月末まで実施を予定。中韓の感染状況によっては延長の可能性もある。

また、台湾の中央流行疫情指揮中心(中央感染症指揮センター)は、 3 月 19 日より、感染症渡航情報をレベル2の「警戒」からレベル3の「警告」に引き上げ、日本への渡航中止を勧告した。

さらに、日本政府は、ヨーロッパでも新型コロナウイルス感染症が広がっていることを受けて、3月21日0時からヨーロッパなど 38 か国からの入国者に 14 日間の待機を要請している。

3 月は各国政府による渡航中止の勧告や日本政府による実質的な入国拒否などが行われるなど 2 月よりも状況が悪化していること、さらに、 桜シーズンとなる 3 月は、これまでは世界各国から多くの訪日客が見込める時期であり、 3 月の訪日客の下落幅はさらに悪化する可能性がある。



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