国土交通省は、レンタカーで日本旅行を楽しみたい訪日外国人客を対象に、10月13日から主要高速道路が乗り放題となる「Japan Expressway Pass」を販売することを明らかにした。高速道路の乗り放題チケットを販売することで、首都圏や大阪などのゴールデンルートに集中する訪日外国人客を地方への誘致を狙う。
パスは、東日本、中日本、西日本の高速道路会社、宮城県と京都府、兵庫県の道路公社の計6社が共同で販売。乗り放題が適用されるエリアは、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本が管理する宮城県道路公社の三陸自動車道、京都府道路公社の京都縦貫自動車道、兵庫県道路公社の播但連絡道路で、北海道内の高速道路や首都高速、阪神高速は対象外となる。
パスの購入希望者は、国内のレンタカー会社でパスポートや日本で運転可能な免許証などを提示して申し込むことで利用でき、対象エリア内では高速道路が乗り放題となる。エリア外を走行した場合は、レンタカーの返却時に追加代金を支払うのみだ。利用できるのは、外国のパスポートを持つ人と、外国に永住権を持つ日本人となるため、日本に在住する日本人は利用できない。
7日間2万円、14日間3万4千円で高速乗り放題
パスには7日間2万円、14日間3万4千の2種類がある。東京から京都まで走行する場合、高速道路の通常料金はおよそ1万円。7日間用パスを購入すれば、東京、京都の往復で元が取れる計算で、自動車で日本各地を巡りたい旅行者には魅力的なパスとなりそうだ。
訪日外国人客を対象とした高速道路の乗り放題パスはこれまで、北海道や東北、中日本、九州など、利用エリアを限定し、2日以上1日単位で14日間までのパスが販売されているが、エリアを超えて利用できる商品は初めて。全国に広がる高速道路網を通して、大勢の外国人旅行客が各地を訪れることで、地方の活性化につながることを石井大臣は期待しているという。
外国人のレンタカー利用増で、各社も対応に取り組み
一般社団法人全国レンタカー協会の調べによると、平成28年4月から1年間の外国人へのレンタカー貸渡件数は、北海道地区で62,977件で前年比152.3%、沖縄県では206,413件で同比143.6%と、ともに大幅な伸びを示している。レンタカーの大手各社もウェブサイトでの案内や予約も英語などで対応しているほか、英語や韓国語、中国語などの多言語カーナビ搭載車の普及にも取り組む。
同協会は訪日外国人ドライバー増加に対する今後の課題として、サービスエリアやパーキングエリア内のレンタカー専用駐車場スペースの確保、ラジオなどによる多言語での渋滞情報発信、外国人向け交通案内の整備などを挙げている。