ミレニアル世代向け旅行アプリを展開するスタートアップの Leavy.co が約 15 億円(1400万ドル)の資金調達を実施したことが明らかになった。
フランスパリに拠点を置くスタートアップが展開する Leavy.co はミレニアル世代の旅を支援するアプリで、旅行者が旅行に出かけている間、自宅を貸し出すことができるサービス。特徴的なのは、部屋を Leavy.co にリスティングした時点で代金を受け取ることができる点だ。
さらに、万が一貸し出した部屋に予約が入らなかった場合は、予定の金額が 100% 保証されるようになっている。ミレニアル世代を中心に、会員数はヨーロッパを中心に65,000人以上に上り、急速に会員数を増やしている。
TechCrunch によるとシートラウンドとなる今回の投資ラウンドは、オランダの投資企業 Prime Ventures(プライム・ベンチャーズ)をリードインベスターとしてすでに 2019 年1月に非公開で行われいたようだ。
Leavy.co は2017年、当時学生で現 CEO のAziza Chaouachi(アジザ・チャウアチ)氏と現 COO の Yassine Ben Romdhane(ヤシン・ベン・ロンダン)氏、現最高戦略責任者の Mario Moinet(マリオ・モアネ)氏が設立。Leavy.co について、ミレニアル世代がより安くより多く旅行できるように支援する「旅行コミュニティとマーケットプレイス」 と位置づける。
この特徴的なコミュニティには、自分が留守にする間、部屋を貸し出して旅費をまかなう「Happy Leavers(ハッピー・リーバーズ)」と呼ばれる旅行者と、アプリを介して予約管理し、地元ホストとして鍵の受け渡しなど諸対応を担当する「Hosts on Demand(ローカルホスト)」が担う。
部屋を掲載するだけで収入に 次世代OTAを狙う
Leavy.co が注目されているのは、予約の有無に関わらず、旅行などで自宅を開ける際に、自身の部屋をLeavy.co のマーケットプレイスにリスティングした時点で代金を受け取ることができる点だ。
Leavy.co は airbnb など他のサービスよりも受け取れる報酬が少ない傾向がみられるが、リスクフリーで貸し出しせるため「せっかく旅行にいくんだったらリスティングするか」という気にさせてくれる。
また、「Leavy Coins」というコミュニティー通貨があり、ユーザーが友達を招待し、旅のアドバイスやおすすめを共有したり、写真投稿したりすると、報酬として与えられる。このクレジットはアプリ内のショップでフライトや宿泊などの旅行商品に使用できる。
「旅行業界は2番目に急成長している業界で、私たちは最大の消費者。それは私たちの犠牲の上に成り立っている」と指摘するチャウアチ氏。高等教育を受けることで多額の負債を抱えながらも旅をして視野を広げたいという意欲のあるミレニアル世代を支援したいという。
ミレニアル世代 65,000 人まで拡大する Leavy.co のコミュニティは、その6割を女性が占める。同社はすでに、パリ、アムステルダム、ロンドン、マドリード、ローマ、リスボンに100人の従業員を抱え、今年末までには米国オフィス開設の計画もある。
チャウアチ氏は「私たちは旅行業界では全くの新顔で、次世代のオンライン旅行代理店(OTA)」とし、「Booking.comのような従来の検索エンジンや、Airbnbのような短期レンタルのプラットフォームとは違うし、インスタグラム世代が絶対に買えないような商品は提供していない。その代わり、彼らの購買力を高めている」と話している。