ホテルチェーン大手のマリオット、最終利益92%減の 33 億円 「ドライブ旅行」の回復で恩恵も

ホテルチェーン大手のマリオット・インターナショナルが発表した 2020 年 1 ~ 3 月決算は、最終利益が前年同期比 92% 減の約 33 億円(3,100 万ドル)だったことを明らかにした。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて厳しい状態に直面していることが改めて明らかになった。

新型コロナウイルスによるパンデミックの影響から、2020 年 4 月は宿泊業界にとって史上最悪の月となった可能性がある。マリオットは世界 7,300 ホテルのうち、約 4 分の 1 を閉鎖している。

北米地域の状況が悪化する中ではあるが、同社は休暇を目的に自動車で向かう人々からの恩恵を受けており、リミテッドサービスホテルの業績を強調した。これらのホテルでは過去 2 週間の稼働率が約 20% で安定しているようだ。

またマリオットは、中華圏での事業回復の兆候がある、と述べている。中華圏のホテル稼働率について、2 月は 10% 未満であったが 4 月は 25% に上昇した。本格的な回復にはまだ先が長い状態ではあるが、稼働率が上昇傾向にあるのは明らかだ。

マリオットは新型コロナウイルスのパンデミックからの生き残りのため、現金をかき集め、ホテルを閉鎖し、従業員を解雇し、債券発行とポイントプログラムの販売により資金調達を行っている。同社は「現段階で前例のない本状況について財務上の影響を見積もることができない。パンデミックの発生は当社業績にとって重要な事項であり続ける」と述べた。

世界に先駆けてパンデミック後の経済正常化に向けた動きを始めた中華圏において、ホテル稼働率の向上が見られるのはマリオットにとってよい兆候である。しかしその中華圏ですら 4 月の稼働率は 25% に留まっている。

中華圏以外の地域は中華圏に比べ 1 カ月以上遅れての経済回復が見込まれる中で、マリオットの先行きを占う指標として、中華圏における 5 月以降のホテル稼働率の状況が注目されることになりそうだ。



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