ホテルチェーン大手のマリオット・インターナショナルは、新型コロナウイルス収束を受けて中国国内にあるすべてのホテルを再開したことが明らかになった。稼働率は40%までに回復したほかビジネス旅行も回復傾向にあると、海外メディアが報じている。
マリオットは中国全土に 350 ホテルを展開しているが、CEOのアーン・ソレンソン氏によれば、中国で感染者が最も多かった1月の時点で稼働率が7%にまで急落。現在は 40% に回復しており、「レジャー旅行だけでなくビジネス旅行も増加しており、中国人は再び飛行機を利用している」という。
中国における旅行宿泊業界はパンデミックの影響を真っ先に受けた業界の1つであるが、工場や企業が再び全国各地で営業を開始するなかにおいても、完全回復には至っておらず、回復までの時間がかかる業界となっているようだ。
マリオットによると、アメリカにおける宿泊需要も回復しつつあるが、稼働率はいまだ 20% 程度で、中国の半分のレベルにしか達していない。しかし、中国同様にコロナの収束とともに回復してくる可能性は十分にある。
一刻も早い回復を望むホテル業界では、ゲストが再び快適に宿泊できるよう、衛生管理を重視した対応に乗り出している。アメリカン・ホテル&ロッジング協会(ALHA) と全米旅行産業協会(U.S.Travel Association)も先ごろ、非接触型インタラクションや社会的距離、衛生管理の拡大などのガイドラインを提唱した。
ALHA はまた、ホテルの清潔基準を強化することを目的とした明確な「セーフ・ステイ・ガイドライン(Safe Stay Guidelines)」を提示し、宿泊場所が安全であることを顧客に示してもいる。マリオットやヒルトン、ウィンダム、ベストウエスタン、チョイスホテルズなどの大手ホテルブランドは、標準規格の作成を支援する諮問委員会に参加している。
ウィズコロナ時代において、非接触型インタラクションの導入やソーシャルディスタンス、衛生管理などコロナ感染を防止する取り組みは、ホテル業界における「新しい日常」になると言えそうだ。