観光庁は、国内のホテルや旅館、簡易宿所の延べ宿泊者数を集計する「宿泊旅行統計調査」の対象に、新たに「民泊」と「ラブホテル」を来年1月に追加する方針であることを朝日新聞が報じた。
「宿泊旅行統計調査」は、全国のホテル、旅館、簡易宿所、会社・団体の宿泊所などの宿泊施設へのアンケートをもとに毎月末に観光庁が公表している調査データ。
宿泊統計では、各月の延べ宿泊者数や外国人延べ宿泊者を把握できる他、旅館、リゾートホテル、ビジネスホテル、 シティホテルなどの施設タイプ別客室稼働率や都道府県別の施設タイプ別客室稼働率を把握できる。しかし最近の調査では高い伸びが続く訪日客数に対して、外国人の宿泊者数が伸び悩むなど乖離が起きていた。
乖離の背景には民泊の影響も
民泊データ分析を手がけるメトロエンジン株式会社のメトロデータによると日本国内の民泊物件数は2017年4月に45,000件を突破。民泊プラットフォームを運営する世界最大手のAirbnbによると2016年の延べ利用者数は370万人を超える。
高い伸びが続く訪日客数に対して外国人の宿泊者数が減っている要因の一つとしてこれだけ市場が拡大している民泊の影響も少なからずあると考えられる。
また民泊を全国的に解禁する民泊新法も来年1月に控え、このタイミングで民泊も宿泊統計に含めることで、従来把握が難しかった民泊の利用実態も含めた訪日客の宿泊動向を把握できるよう整備を進める。
政府は2020年までに訪日客数4,000万人を目標に掲げてる一方で、民泊やラブホテルの利用動向が宿泊統計ではわからず課題になっていた。民泊やラブホテルなどの宿泊施設のデータも整備・調査を行うことで訪日客の利用動向を詳細に把握したい考えで29年度予算案には関連費用として5億円を計上している。