Google、宿泊料金調査ツール「Price Insight」 デスクトップでも利用可能に

米検索大手のGoogle(グーグル)は、ホテルなどの宿泊施設の宿泊料金の推移をグラフで可視化する「Price Insight(プライスインサイト)」の提供を一部ユーザーを対象にデスクトップ版でも開始したことが明らかになった。

Googleが2018年9月に公開された「Price Insight」は、ホテルの1日ごとの宿泊料金をグラフとして可視化するサービス。これまでは、スマートフォン版でしかサービスを提供していなかった。

デスクトップ版の「Price Insight」はスマートフォン版同様、「おすすめの予約時期」や「料金の評価」「競合ホテルとの比較」という3つのサービスを利用できる。

「おすすめの予約時期」では、指定したチェックイン日とチェックアウト日での直近30日間の料金変動状況をグラフで可視化。旅行者に対して今予約するべきかどうかの判断材料を提供する。

「料金の評価」では、指定した期間での宿泊価格が、平均価格に対して高いか安いかを提示。「競合ホテルとの比較」ではGoogleが自動生成した競合ホテルとの宿泊価格推移を明らかにする。

「Price Insight」は、主に宿泊先を探している旅行者が最も安く泊まれるホテルを調べる際に力を発揮するが、ホテルのレベニューマネージャーも本ツールを利用することで、周辺の競合ホテルの価格推移を調べることができるのが特長だ。

 

Google Price Insight デスクトップ版より (※クリックで拡大)

 

半年以上先まで、ホテルの宿泊価格が調査できるように

スマートフォン版の「Price Insight」では、ホテルが予約を受け付けてさえいれば、半年以上先までの価格推移を日次で表示可能。

宿泊価格の推移を調査する場合、Google検索から「ホテル 東京」などのキーワードにて対象ホテルを指定することで可視化でき、年末年始の宿泊価格や海外・国内の大型連休時の宿泊価格など半年先のホテル価格も調べることができる。

ホテルでは、金曜日と土曜日を他の曜日に対して割高に設定することがあるが、「Price Insight」を利用するとこのような価格差をグラフで誰でも見れるようになる。

一部ホテルでは3連休などでは、通常の宿泊価格に対して3倍を超える価格を付ける例もみられるが、「Price Insight」ではこの価格差を誰でも可視化できるようになるため、レピュテーションリスクはこれ以上に高まることにも注意しなければならない。

実際にとあるホテルでは「曜日で料金が倍違う」という口コミがオンライン宿泊予約サイトの口コミとして投稿されている例もみられる。

Google Price Insight デスクトップ版より (※クリックで拡大)

 

ホテルに対するレビューの一元管理が可能に

ホテルに対する口コミは、様々なオンライン予約サイトに投稿されてしまう。そのため、これまではどのような口コミが寄せられているかを調査するためには、専門企業のサービスを契約する必要があったが、簡易的な調査であればGoogleからも可能になった。

ホテルのレビューページでは、各オンライン旅行サイトに投稿されたレビューを一つのページで表示することができるほか、「スコア順」や「参考度の高い順」などのソートやオンライン旅行サイトごとのソートが利用できる。

また、「旅行者のタイプ別の評価」では、「出張客」や「家族」などの各旅行タイプ別の評価スコアと改善点などを表示する。「客室の静かさとベッドに改善の余地があるとの記載あり」というように、口コミ解析によるアドバイスが得られるのも特長だ。

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Google Price Insight デスクトップ版より (※クリックで拡大)

 

Googleは、これまでスマートフォン版のホテル検索を中心にUI/UXの大幅リニューアルを行っていたが、スマホ版で提供していたサービスをデスクトップ版でも提供を開始するようだ。

現在、本サービスは一部のユーザーを対象にテストとして公開されているもの。テスト公開を経て、正式公開へ踏み切るとみられる。



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