楽天とLIFULLは、共同で新会社「楽天LIFULL STAY株式会社」(以下「楽天LIFULL STAY」)を設立し、国内における民泊事業に参入することを明らかにした。
楽天LIFULL STAYは、両社が共同出資する「RAKUTEN LIFULL STAY PTE. LTD.」(出資比率:楽天51%、LIFULL49%)の完全子会社として設立された。先の国会で成立した住宅宿泊事業法(以下「民泊新法」)で定められた住宅仲介業者として観光庁長官の登録を受ける予定だ。そして、民泊施設を利用したい人と提供したい人を結びつける、インターネット上のプラットフォームの作るという。
楽天は、楽天市場をはじめ、70を超えるさまざまなサービスを展開しており、約9,000万人にものぼる楽天会員を有するほか、全国の地方自治体とも太いパイプもある。一方、LIFULLは、不動産・住宅情報サイトに約800万件もの情報を掲載しており、2.2万店を超える不動産加盟店のネットワークを有している。楽天の顧客基盤とLIFULLの不動産に関する資源や知見を活用することで、民泊という新たなマーケットでシェアリングエコノミーサービスに参入する。
楽天LIFULL STAYは、宿泊仲介サービス(仮称:Vacation Stay)を通じて、空き部屋や空き家の所有者には、遊休資産の活用法をアドバイスする。施設の準備から運用にいたるあらゆるシーンで支援を行う予定だ。また、運用に伴う各種の負担を緩和するため外部パートナーとも連携をはかり、代行サービスを充実させる。
一方、消費者である旅行者には、多様な宿泊施設情報を提供し、ニーズに合った施設を選ぶことができるようにするという。また、サービス拡大を目指すかたわら、利用者の安全を確保し、安心して利用できるシステムも整備する。
日本国内では、少子化による人口減少や中古住宅の流通シェアの低下が著しく、そのため、各地で放置されている空き家が増加しており、政府や自治体が対策に追われている。また、急増している訪日外国人や、2020年に開催予定の東京オリンピックに向けた宿泊施設の整備や拡充は、喫緊の課題である。
楽天とLIFULLは、楽天LIFULL STAYの民泊仲介事業を通じて、国内外の宿泊客のニーズに応えるとともに、国の問題でもある空き家対策の改善に向けても貢献、宿泊産業全体の活性化を図る。