ブティックホテルのようなサービスアパートメントを展開する「Sonder(ソンダ―)」はこのほど、約1,080億円(10億ドル)を超す評価額で約243億円(2億2500万ドル)の資金調達を実施したことを発表した。調達累計額は約432億円(4億ドル)を超える。
今回のシリーズDラウンドはValor Equity(バロー・エクイティ)、Westcap(ウェストキャップ)、Nicolas Pritzker(ニコラス・プリツカ―)をリードインベスターとし、Fidelity(フィデリティ)、Atreides Capital(アトライデス・キャピタル)など6社が参加する。
民泊仲介サイト大手Airbnb(エアービーアンドビー)の競合企業にも当たるSonderは昨年、オンライン上で予約できる物件数を3倍に増加しており、現在は世界の20都市、8,500物件を提供。2019年末までに売上約432億円(4億ドル)、前年比で4倍の成長を見込む。
「ホスピタリティ事業の未来はダイナミックになる」と、Sonderの共同創設者でCEOのフランシス・デヴィッドソン氏。「私たちは新たなスタイルのサービスアパートメントを増やし、世界中の刺激的な地域に拡大し続ける。そして、Sonderは記憶に残る存在になる」と述べた。
Sonderは2012年、カナダのマギル大学の新入生だったデヴィッドソン氏が創業した企業で、現在はサンフランシスコに拠点を置く。2018年には1億3,500万ドル(約146億円)の資金を調達している同社は、ブティックホテルのようなアメニティや家具付きのアパートメントなどを1泊から2年間の期間でレンタルする。
Sonderでは、Airbnbと同様に多様なタイプのサービスアパートメントに宿泊できるほか、クオリティコントロールがSonderによって行われ、コンシェルジュサービスなども受けられるのが特徴だ。
部屋のクオリティコントロールやゲストへの対応がホスト主導によって行われてきたAirbnbとは異なる。ただし、Airbnbも2018年に、同社が主体的にクオリティコントロールを行う「Airbnb Plus」というサービスを提供し対抗している。
最近では、インドのホテルスタートアップ、Oyo Hotels & Homes(オヨ・ホテル&ホームズ)がAirbnbからの大規模な投資を含む新たな資金を確保したほか、ブティックホテル企業のLife House(ライフハウス)は4000万ドル(約43億円)を、Mint House(ミントハウス)は1500万ドル(約16億円)を調達している。
これまで大きな変化がなかったホテル業界では、Airbnbを筆頭に、OYOやSonderなど新興企業が急拡大し、次々に1000億円を超えるユニコーン企業へと成長している。新興ベンチャー企業による快進撃はまだまだ続きそうだ。