東京都千代田区、民泊条例案を議会に提出へ

東京都千代田区は、2018年6月15日施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)を見据え、民泊条例案の骨子をまとめた。民泊の可否や制限は管理者常駐の有無がポイントになる。区民の意見を公募するパブリックコメントを実施し、2月の区議会に条例案を提出する。

条例案の骨子によると、学校などの教育関連施設が集積する文教地区では、常駐管理者がいない民泊施設の営業を認めない。常駐する場合でも、民泊営業を金曜昼~日曜昼までに限定。神田や麹町の人口が密集するエリアでは、常駐管理者が不在の施設の営業は金曜昼~日曜昼に限る。

《関連記事》住宅宿泊事業法に向けて各自治体で進む民泊条例の検討状況

【千代田区の民泊条例案の主な骨子】
▽文教地区
家主居住型 :金曜昼~日曜昼まで可
管理者常駐型: 金曜昼~日曜昼まで可
家主不在型 :全日不可

▽学校等周辺地区
家主居住型 :金曜昼~日曜昼まで可
管理者常駐型: 金曜昼~日曜昼まで可
家主不在型 :全日不可

▽人口が密集している区域(神田・麹町等地区)
家主居住型 :制限なし
管理者常駐型: 制限なし
家主不在型 :金曜昼~日曜昼まで可

千代田区では民泊のルールづくりを目的に、学識経験者、町内・自治会関係者、宿泊・不動産・マンション管理会社らの関係者で組織する「千代田区民泊サービスのあり方検討会」を発足。2017年6月、10月、12月に検討会を開催し、民泊条例の骨子を作成した。

千代田区を含む東京23区では2017年12月31日現在、民泊条例の動きが表面化していないのはわずか5区。このほかの18区では既に民泊条例が成立したり、区議会へ条例案を提出するなどの動きがある。

【東京23区の民泊条例制定に向けた動き】(2017年12月31日現在)
▽条例が成立した区
・大田=2017年12月8日成立
・新宿=2017年12月11日成立
▽2018年2月の各議会へ提出する区
・世田谷・中野・板橋・練馬・文京・千代田・港・目黒・中央・杉並・足立・江東
▽検討している区
・台東・荒川
▽会議や話し合いなどの動きがある区
・渋谷・豊島
▽具体的な動きが表面化していない区
・墨田・品川・北・葛飾・江戸川

千代田区は、皇居や日本の中央省庁が集積する霞が関を擁する。同区の居住形態は区民の85%がマンションなどの共同住宅に居住。商業地域全体と住居地域の一部では、建築基準法上の建ぺい率の制限の適用を受けず、隣地の建物が近接しているケースが多い。

住居地域では区民が密集して生活しており、神田や麹町区域では、民泊利用者が住民の生活圏内に常に入ってくる可能性も出てくる。霞が関や永田町などのオフィス街では、夜間人口の減少により、治安の問題も出てくるなど、同区の状況に合わせて条例案の骨子をまとめた。