民泊、バケーションレンタル運営会社の米Vacasaは、米大手ホテルチェーンのWyndham Destinationsから民泊部門のWyndham Vacation Rentalsを 175 億円(1.62億ドル)で買収したことを明らかにした。
Vacasaは、ポートランドに拠点を置く北米最大級の民泊、バケーションレンタル運営会社で、コンドミニアムや一軒家、タウンハウス、別荘など高価格帯のバケーションレンタルを多く取扱う。同社は民泊仲介サイトの運営に加えて民泊の運営管理や不動産売買なども手掛ける。
2009 年に創業した Vacasa は、民泊、バケーションレンタル市場の拡大とともに成長し、現在はアメリカ、ヨーロッパ、中南米、アフリカなどの地域で 14,000 以上の宿泊施設を掲載。3,300人以上の従業員を擁する規模にまで拡大している。
Wyndham Destinations は、ニューヨーク証券取引所に上場している米大手タイムシェア(リゾート共有システム)事業会社で、関連会社のWyndham Hotels & Resorts は、ラマダ、ハワードジョンソン、デイズインなどのホテルチェーンを世界で展開している。
Vacasa と Wyndham Destinations は、2019年7月30日に正式な買収契約を締結。50 都市 9,000 以上の Wyndham Vacation Rentals の物件は、2020 年秋をめどに Vacasa プラットフォームへの移行を完了させる。統合完了後の Vacasa の物件は 23,000 件以上に拡大する予定。
Vacasaの創業者兼CEOのEric Breon氏は「Wyndham Vacation Rentalsのチームは、宿泊業界の豊富な知識と経験を持っており、彼らを Vacasa に迎えることを楽しみにしている。業界をリードするイールドマネジメントとマーケティングは、物件オーナーに対して最高の収益機会を提供する」と述べた。
また Vacasa は、Wyndham Vacation Rentals の不動産管理契約の取得に加えて、140の住宅所有者組合(HOA)の管理も取り込む。コロラド州、アラバマ州、デラウェア州、フロリダ州、サウスカロライナ州、ユタ州の短期賃貸に特化したHOAは、Vacasa Community Association Management に移管される。
HOAとは、Home Owner Association(住宅所有者組合)の略で、マンション管理組合のように複数の一戸建て住宅において住宅エリアを管理・運営する組合のこと。
Wyndham Destinations CEO の Michael D. Brown 氏は「過去数か月間に渡り、私たちのチームはVacasaと協力し、全てのステークホルダーのため、交渉を進めてきました。今回の買収により企業価値が最大化され、長期的な成功が約束されるものだと信じています」と述べた。