新型コロナの影響で落ち込んでいた米国における Airbnb(エアービーアンドビー)の予約数が加速的に反発していることが米データ分析企業の調査で明らかになった。民泊やホテル業界などの宿泊業界、さらにはより広範な経済のV字型の回復の可能性をも示す明るいニュースだ。
Airbnb における宿泊予約数の回復は、Airbnb のデータ収集および分析を手掛ける民泊データ分析企業の AllTheRooms Analytics が公表した最新の予約データによって明らかになった。
このデータによると、米国におけるAirbnbの主要マーケットで広範にわたって予約数が回復しているほか、ヨーロッパの一部の国でも改善の兆しを見せている。
米国での直近90日間のAirbnb稼働率(Airbnbに掲載された物件が今後90日間で予約された割合)は、5 月 15 日時点で 18.2% に達している。対前年同期比 36.8% 減とはなっているが、前年との格差は急速に狭まってきている。
米国で最も数字が良好な州にはアリゾナ州が含まれており、対前年同期比でわずか 16.2% 減にまで急回復。また 2019 年の予約状況に近い他の州としては、ネブラスカ州(同 13.9% 減)、メイン州(同 17.4% 減)、アーカンソー州(同 18.0% 減)、ジョージア州(同 23.2% 減)がある。
カリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州など、Airbnb にとっての 3 大市場が依然としてロックダウン状態にあるが、米国市場全体では回復が見られる。カリフォルニア州では、稼働率が対前年同期比で 46.7% 減少。
ロン・デサンティス知事が民泊の一時禁止措置の延長を決定したフロリダ州は同 38.0% 減、また州内の大部分がロックダウン状態にあるニューヨーク州は 43.4% 減となった。これら 3 州は米国の Airbnb のリスティングの 36% が存在する重要市場だ。
AllTheRooms のジョセフ・ディトマソ CEOは「データによるとロックダウンを実施していない州や、早期にロックダウンを緩和した州で予約数が急回復している。カリフォルニア州、フロリダ州、ニューヨーク州などの大規模市場が復帰すれば、2019 年の水準への回復が加速されるだろう」と述べた。