【特集】Google、ロイヤルティ・プログラムの導入に着手 旅行分野での導入でユーザー数を加速させるか

米検索エンジン大手のGoogle(グーグル)は2019年3月に、ホテル検索サイトをリリースし、オンライン宿泊予約サイトとしての存在感を示すなどホテル業界への進出が止まらない。新しい可能性を探し続けるGoogleが次に目を付けているのが、「ロイヤリティー・プログラム」の導入だ。

ロイヤリティー・プログラムは、リワード・プログラムとも呼ばれ、一定期間継続的に利用した会員に対して、インセンティブを提供するマーケティングプログラム。ホテル業界や航空業界など様々な業界で活用されている。

Google インドネシアの責任者 Henky Prihatna 氏は、シンガポールで開かれた「トラベルデジタルAPAC 2019」で、Googleがどのようにアジアの人々をターゲットにしているかを解説。

Prihatna氏は新興国におけるイノベーションという講演の中で、「Googleのロイヤルティ・プログラムは、企業がユーザーを獲得及び維持してコンバージョンとエンゲージメントを向上させるのに役立つ」と話した。

モバイルユーザーの多くは普段利用していないアプリを削除してしまう。それゆえ、Googleはリワードプログラムの導入でアプリを利用するユーザーを惹きつける方法を考案しているという。

Googleが、ロイヤルティプログラムに言及したのはこれが初めてではない。無料のビデオ通話アプリの Google Duo では、友人を招待することで特典を受けることができる仕組みが導入されている。

招待した友人が Duo に登録し特典の進呈基準を満たした場合、招待者及び被招待者の両方にデータ特典または現金特典が進呈される仕組み。現金特典は、インドのみで利用可能となっている。

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ロイヤルティ・プログラム OTAの新たな脅威となるか

ホテルなどの宿泊施設にとって、初めて訪れた宿泊客を一回限りするのではなく継続的にリピーター化させることが重要だ。大手ホテルチェーンでは、顧客の囲い込み及び継続利用の促進を目的として、ロイヤルティ・プログラムに力を入れている。

マリオット・インターナショナルは、1億2500万人の会員数を有する世界最大のロイヤルティプログラム「マリオット・ボンヴォイ(Marriott Bonvoy)」を展開するほか、ヒルトン・ホテルズ&リゾートは、約8,200万人を超える会員数を有する「ヒルトン・オナーズ」を展開している。

旅行業界は航空会社のマイレージサービスに代表されるように、ロイヤルティ・プログラムと非常に相性の良い業界である。プライベートでの旅行やビジネスでの出張など、様々なシーンやサービスにロイヤルティ・プログラムが導入され、ユーザーはその恩恵を受けている。

Googleのロイヤルティ・プログラムは検討中の段階で、ユーザーに対してどのような報酬が与えられるかなどまだ詳細は明らかになっていないが、「ロイヤルティ・プログラム」に本腰を入れ始めるのも時間の問題になってきたと言えそうだ。

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