航空券の「買い時」を知らせる旅行アプリのホッパー(Hopper)は、2019年6月下旬からホテル予約と価格予測サービスを開始したことを明らかにした。
Hopperは、人工知能(AI)で出発日までのフライト運賃の推移を予測しベストプライスでの購入をサポートするスマートフォンアプリ。
フライト運賃は、これまで様々な要因により日々その価格が変動するため、いつ購入すれば有利な価格で購入できるかを事前に知ることは難しい。しかし、Hopperでは、AIを活用し現在の運賃が有利な価格なのか、今後さらに安く販売される可能性があるかを予測。
アプリでは、具体的に出発日の何日前までに購入すればベストプライスで購入できるか、出発日の何日前よりも後に購入するとフライト運賃が上昇するかを予測してくれるため、ベストプライスで航空券を購入できるようになる。
Hopperは、これまでフライト運賃で培った価格予測技術をホテル客室の価格予測にも応用し、世界200以上の国と地域にある27万以上の宿泊施設にも価格予測サービスの提供を開始した。
Hopperがホテル客室の予測アルゴリズムに関するテストを開始したのは2017年秋のこと。CEOのフレデリック・ラロンデ氏は、ホテル価格とフライト運賃の違いについて、「価格のみが意識される航空券とは異なり、ホテルでは他の様々な要素も関係してくる」という。
こうした背景もあり、今回スタートしたHopperのホテル検索ではホテルの所在地だけでなく、ホテルの評価や価格帯、アメニティや設備による絞り込みにも対応する。
Hopperより1泊平均約6千円以上の節約も
Hopperによると、客室価格の値下がり時や、プライベートレートで安価に予約できるようになった際に通知するようアプリを設定することで、ピーク時の料金から平均して一泊約6,700円(62ドル)節約できるという。
プライベートレートには、ツアー料金や会員価格、クローズドユーザー向け料金などが含まれる。このような会員向けのプライベートレートは、そもそもその存在を認識していない場合や利用資格があるか認知していないユーザーは多い。しかし、Hopperはこれらの諸条件もモニタリングし、最適な予約タイミングを通知する。
また、ユーザーがHopperアプリを何度も利用すると、個々のユーザーの好みをより詳しく認識し、将来的にはより良いレコメンドができるようになる予定。
実際、同社によれば、AIによるレコメンドではすでに結果が出ていて、同社予約の25%は、本人は旅行を予定していなかったユーザーによるものだという。
2018年秋、同社はシリーズDの投資ラウンドで約110億円(1億米ドル)を調達したことを発表。Hopperの累計調達額は、約202億円(1億8400万米ドル)で、評価額は830億円(7億8千万ドル)にもる急成長ベンチャー。
2019年に入ってから、Hopperの売上は100%増加し、コンバージョン率は80%上昇したという。Hopperは、期待の旅行ベンチャーとなりそうだ。