【特集】世界最大のホテルチェーンのマリオット、ネットフリックス導入加速 有料テレビカードはなくなるか

世界最大級のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルが動画ストリーミングサービスのNetflix(ネットフリックス)を客室のテレビに導入してから3年ー、ネットフリックスを導入するマリオット傘下のホテルは全世界1,440施設の宿泊施設に達した。

ネットフリックスとは190ヵ国以上で1億2500万人のメンバーが利用するストリーミング動画配信サービスで、2015年には日本でもサービスが開始されている。

2015年6月にマリオットとネットフリックスはホテルとしては世界初となるパートナーシップの締結を発表し、マリオット傘下のホテルでネットフリックスを鑑賞できるサービスを開始。

開始当初は、ニューヨークのマリオット イースト サイドやサンノゼ・マリオットなど一部のホテルでの提供にとどまっていたが、この3年で拡大し現在はコードヤードやACホテル、モクシー(Moxy)などマリオット傘下の複数のホテルでサービスを提供するまでになった。

利用者はホテルの客室に設置されたルームTVからNetflixを選択し、アカウントを作成するか自身のアカウント情報を入力することでNetflixを客室で視聴できる。

日本のビジネスホテルでは、販売機やフロントで有料テレビカードを販売する方式を採用するホテルも珍しくはないが、世界ではストリーミング動画配信を客室向けに提供しようという機運が高まっている。

▼Netflixが利用可能なホテル一覧
・Marriott International Hotels
・Starwood Hotels
・Hilton Hotels
・Four Seasons Hotels
・Best Western Hotels
・Wyndham Hotels
・Hyatt Hotels
・InterContinental Hotels

Dish Network より

 

米国ではネットフリックス導入のホテルソリューションも

アメリカで衛星放送サービスを展開するディッシュ・ネットワーク(Dish Network)は数か月以内に同社ホテル向けテレビソリューションの「EVOLVE」にNetflixを統合することを発表。

「EVOLVE」が設置された客室に滞在する宿泊客は、ルームTVから個人のNetflixアカウントにアクセスして映画などを鑑賞できるようになる。同社によると、本サービスはネットフリックスをルームTVに統合できるアメリカで初の客室テレビソリューションとなるようだ。

なお、Googleのモバイルオペレーションシステム Android(アンドロイド)をベースとする「EVOLVE」はネットフリックスに加えて、YoutubeなどGoogle Play Storeで提供される何千種類ものTVアプリを導入することもできる。

これまでホテルで提供されていた映像サービスは映画やTV番組など数が限られていたが、ネットフリックスであれば数多くのラインナップの中からTV番組、映画、ドキュメンタリー等を視聴できる。

ネットフリックスの利用ユーザーであれば、自宅で鑑賞していた映画を途中からホテルで鑑賞することも可能だ。もちろんチェックアウトの際には、自動的にログイン情報は消去されるため別の宿泊客によって利用されることもない。

これまで日本で映画を鑑賞する際は有料カードの購入が必要な場合もあったが、ネットフリックスの導入によりホテルのルームTVがパーソナライズ化される日もそう遠くはないだろう。



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