【調査】2020年3月、京都59ホテルの客室稼働率は調査以来最低の30%、宿泊施設数は過去最高

京都市観光協会によると、2020 年 3 月の京都 59 ホテルにおける客室稼働率は、前月の 54.3% を 20 ポイント超下回る 30.3% に大幅下落したと発表した。新型コロナウイルス感染症による影響が本格化したことで、客室稼働率は 2 ヶ月連続で調査開始以来の最低値を更新した。

京都市内のホテル高稼働を下支えしていた外国人延べ宿泊客数は、前年同月比 89.5%減と 2014 年の調査開始以来の過去最低を記録。中国が前同 98.4% 減少したのを筆頭に、韓国、香港、台湾も9割を超える減少率を記録したほか欧米も減速し、外国人比率は 14.8% と未だかつてない伸率の減少が記録された。

本調査は、京都市内の主なホテルを対象に京都市観光協会が毎月公表しているもので、59 ホテル 12,796 室(2020 年 3 月現在)が対象となっている。

中国では、政府通達により 1 月 27 日から団体ツアー及び航空券とホテルのパッケージ商品の販売を禁止。2 月中旬には日本政府は、中華人民共和国の湖北省、浙江省、韓国の大邱広域市と隣接する慶尚北道に滞在歴がある外国人を対象に入国拒否を実施していた。

その後、日本政府は 3 月 9 日から中国、韓国全土からの日本人を含む入国者に対して、検疫所長が指定する場所に 2 週間待機するよう要請。4 月 3 日からは、中国や韓国全土からの入国を拒否するほか、入国拒否の範囲を大幅に拡大し、新たにアメリカ、台湾、EU以外のヨーロッパのほぼ全域、タイなど東南アジアなども対象になっている。

この影響で、政府観光局(JNTO)によると、2020 年 3 月の訪日外客人数は、前年同月比 93% 減となる 193,000 人と大幅減となっていた。インバウンドに支えられていた京都の宿泊業界も新型コロナウイルスの感染拡大により大ダメージを受けている。

京都市 宿泊施設数推移

 

京都市、ホテルや旅館などの宿泊施設数は過去最高を記録

新型コロナウイルス感染症の影響により、ホテルや旅館などの宿泊施設の稼働率は苦戦を強いられる中で、2020 年 3 月の京都内市内宿泊施設数(旅館業許可施設)は、前年同月比 10% 増の 3,993 施設となった。過去最高の施設数となった。客室数でみても、前年同月比 15% 増となる 53,471 室へと拡大している。

東京オリンピック・パラリンピックはもともと 2020 年夏に開催を予定したこともあり、2~3年前に開始したホテルプロジェクトが今続々とオープンしている。一部ホテルでは開業日を大幅に後ろ倒しする事例もあるが、延期せず予定通り開業するホテルも一定ある。

日本では、新型コロナウイルスの感染者に歯止めがかからず、緊急事態宣言を発令し、不要不急の外出自粛を要請している。緊急事態宣言について政府は 5 月 6 日までとしていた期限を今月末まで延長する方向で調整に乗り出しており、事態は長期化する恐れもある。



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