近鉄グループホールディングスは、大阪や兵庫、京都で展開する 8 つのホテルを米大手投資ファンドのブラックストーン・グループに売却すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による社会・経済構造の変化に対応する。
同社グループのホテル事業は、1951 年に都ホテル(現ウェスティン都ホテル京都)に資本参加したことに始まり、現在は、ホテルブランド「都ホテルズ&リゾーツ」等を国内外 24 ホテル、約 6,200 室で展開している。
そのような中で発生した新型コロナウイルスの世界的な大流行を受けて同社グループは、ホテル事業のコスト削減、運営体制の見直しなど、構造改革の実施・検討を行っていた。
売却対象となる 8 ホテルは、「ホテル近鉄ユニバーサル・シティ」(大阪市)や「都ホテル京都八条」(京都市)などで全体の 3 分の 1 に当たる。運営は引き続き近鉄グループが担う。
今後は、8 ホテルの売却により、鉄道経営やホテル経営に不可欠な経営資源としてアセットを持つ経営と、運営に特化したノンアセット経営の両輪での事業を推進していくという。
近鉄グループホールディングスは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、鉄道やホテル、レジャーの利用者が減少。2021 年 3 月期は 780 億円の連結最終赤字となる見通し。