6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行から約1か月、新法施行により旅館業法に加えて住宅宿泊事業の届出を行うことで民泊の営業を行うことができるようになったが、京都では民泊の受理が思うように進んでいない状況が明らかになってきた。
観光庁によると7月13日時点での市内民泊受理件数は47件にとどまっている。民泊市場のリサーチ・調査を手掛けるメトロエンジン株式会社が提供する民泊ダッシュボードのメトロデータによると、2018年5月時点で京都市内には約5,000件の民泊施設があった。
京都市が開設する民泊専用の通報・相談窓口には2016年から2018年6月までに累計300件の開業相談が寄せられるなどしているが、民泊の受理件数は伸び悩んでいる。
民泊の届出が伸び悩む背景には、住居専用地域で届出を行っても年間で最大約60日程度しか営業を行うことができないのは要因の一つ。また営業できる期間も年間の中で閑散期にあたる1月~2月の期間のみしか営業できないのも大きい。
民泊の届出が受理されている施設のエリア別の分布では、中京区、左京区、東山区の順番に多かった。二条城などの観光スポットがある中京区や平安神宮といった観光スポットが挙げられる左京区などに多い。
民泊伸び悩みも、簡易宿所は毎月約70軒ペースで増加
京都市が公表した許可施設の施設数推移によると、ここ数年で簡易宿所の営業許可を取得した宿泊施設が急増している。2014年に460施設だった簡易宿所は2017年に2,291施設まで増加。
簡易宿所の伸びは、2014年から4年連続で宿泊施設が減少している旅館や微増にとどまるホテルとは対照的だ。
2018年度に入っても簡易宿所の新規許可件数は伸び続けており、毎月約70軒のペースで現在も増え続けており、民泊新法施行の6月も傾向は変わらない。
住居専用地域では年間の営業日数が約60日に抑えられる住宅宿泊事業に対して、簡易宿所営業は許可さえ取得できれば365日営業できる。簡易宿所は、今後もその数を増やしていくことになりそうだ。