京都市観光協会によると、2020 年 12 月の京都 68 ホテルにおける客室稼働率は、前月の稼働率 63.2% を 25.6 ポイント下回る 37.6% に大幅下落したことを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大が稼働率の大幅悪化を招いたようだ。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、稼働率は低い状態が続いていたが、政府の旅行需要喚起策「GoToトラベルキャンペーン」の後押しもあり、2020 年 11 月までは 7 か月連続で稼働率が前月を上回るなど回復傾向にあった。
しかし、2020 年 11 月下旬から都市部を中心に新型コロナウイルス感染症の第3波への警戒感が高まったほか、GoTo トラベルの全国一斉停止が 12 月 28 日から実施されたことで、2020 年 12 月の稼働率は前月を大幅に下回る結果となった。
京都市観光協会「2020 年年末年始の京都市内 観光の動向に関する臨時調査結果(1 月 12 日発表)によると、12 月 14 日に「GoTo トラベルキャンペーン」の全国一斉一時停止(12/28~1/11)が発表されたことにより、 年末年始の予約の 63.0% がキャンセルになったという。
コロナ前の高稼働を下支えしていた外国人延べ宿泊客数は、前年同月比 99.6% 減で全ての国と地域でほぼゼロとなる状況が 9 ヶ月にわたり継続。日本全体の傾向も同様で、JNTO によると 12 月の訪日外客数は前年同月比 97.7% 減の 58,700 人で、回復とは程遠い。
GoToトラベルの全国一斉停止は当初 12 月 28 日から 1 月 11 日までを予定していたが、緊急事態宣言の再発令を受けて、2 月 7 日まで延長。一方で、新型コロナウイルスの感染は収まりを見せておらず、再延長が避けられない情勢だ。
緊急事態宣言の再延長が決定すれば、GoToトラベルも同様に停止延長となる可能性は高く、そうなれば、ホテル業界はさらに厳しい状況に追い込まれることになる。