民泊データ分析を手がけるメトロデータによると、日本国内のアクティブ民泊物件数が2016年11月に過去最高の40,000件を突破したことが明らかになった。ここでの民泊物件数は、カレンダーが数ヶ月更新されていない、数ヶ月実際に貸し出しされていないといった物件を除き実際に稼働している物件だけに絞った正確な物件数となっている。
2016年は民泊物件数が爆発的に増加し、日本で最も多い東京都では稼働率が閑散期の1月に特に落ち込んだが、2月以降は巻き返し4月や7月には平均稼働率75%を超え供給量の増加にもかかわらず高い稼働率を出していた。
2014年に全国で2,100件あまりだった民泊物件数は、Airbnbサイトの日本語化とともに物件数を増やし、2015年11月時点で12,000件を突破していた。毎年の傾向として12月から2月にかけて新規の物件数が伸び悩む傾向があり、一時的に新規物件数の伸びは止まったが3月から急増。2016年11月時点で物件数は過去最高の40,000件を突破した。
民泊の合法化率は0.2%
現行法上、民泊を運営する方法としては旅館業法の簡易宿所の許可を取得する方法と国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度を活用した特区民泊の2つの方法がある。
特区民泊は東京都大田区や大阪市などに実施エリアが限定されているが、それらのすべての認定取得の部屋数は114室(※2017年1月22日時点)で、民泊の合法化率は0.2%にとどまると見られる。民泊新法の成立を控えるが、40,000件の民泊施設すべてが合法化に移行するかどうかは不透明だ。
ただ新規参入することになる不動産事業者は、合法的に民泊を運営するものと見られ、合法民泊物件の比率は民泊新法以降増えるだろう。
エリア | 認定件数 |
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東京都大田区 | 28件86室 |
大阪府の一部 | 4件6室 |
大阪府大阪市 | 10件22室 |
合計 | 42件114室 |
予測では2017年10月に6万件突破も
民泊専門メディアの予測では、民泊物件は2017年5月に50,000件を突破し10月に60,000件を突破する見込みだ。ドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利した昨年11月以降、急速な円安が進行。
訪日外国人旅行者数も過去最高を更新し続けておりとどまる所を知らない。2017年には国会への提出が予定されている民泊新法(住宅宿泊事業法案)も控えており、法律面の整備も進む。複数の不動産事業者も民泊参入の準備を着々を進めており民泊の物件数は今後さらに増えることは確実だ。
また、ビジネス目的での参入だけではなく、国際交流を楽しむ目的で自宅の空き部屋を旅行者に貸し出したいという需要もある。Airbnbの宿泊利用者の大半は訪日外国人で様々な国のゲストを受け入れることができることから、この魅力に魅せられる人も多い。
しかし現行法上では自宅の空き部屋にゲストを招き入れるホームステイ型民泊でも宿泊料を受けて人を宿泊させる営業に当たる場合は旅館業法の許可が必要だ。民泊新法(住宅宿泊事業法案)ではインターネット上からの届け出で住宅宿泊事業(民泊)の運営ができるようになる。