違法民泊に対する取り締まり体制の強化、全国で相次ぐ 住宅宿泊事業法を見据え

6月に一定のルールの下で民泊を解禁する住宅宿泊事業法が施行されることを受けて、民泊取り締まりに特化した専門部署の開設や民泊相談ダイヤルの開設、そして民泊監視員の開始など取り締まりを強化する自治体が全国的に増えている。

石川県金沢市は、2018年4月に市の衛生指導課に「民泊適正運営指導室」を設置し「違法民泊相談ダイヤル」を開設。「民泊適正運営指導室」は、旅館業法の許認可や住宅宿泊事業の届出を行わない民泊事業者に対して適正な指導を行うことを目的として、職員7人体制で取り締まりを強化する。

また大分県は、住宅宿泊事業法の施行を見据え「民泊監視員」を導入することを検討。県は18年度予算で約860万円を計上、県の食品・生活衛生課に2人の配置を予定し、民泊の届出があった全施設を対象に立ち入り検査を実施し、適正な運営がなされているかチェックを行う。

 

民泊人気エリアの大阪・京都でも民泊の対策強化へ

住宅宿泊事業法の施行を前に、民泊物件数が全国で2番目に多い大阪府、そして京都府(全国3番目)でも民泊の対策を強化する。

全国に先駆けて民泊対策PTを設置するなど民泊対策に乗り出していた京都市は、2018年4月から民泊事業の審査を担当してきた医療衛生センターを再編し、民泊担当者を20名から26名に増員。

大阪市は、2018年4月から大阪府と大阪市の合同で違法民泊撲滅チームを立ち上げ、警察OBを30名程度雇用し、合計約60名体制で違法民泊を徹底的に厳しく取り締まる方針だ。

 

全国的に相次ぐ民泊対策状況

自治体民泊対策
京都市2015年から民泊対策PTを設置。日本初の「民泊通報・相談窓口」を開設するなど無許可民泊の対策を強化。
大阪市府市合同で違法民泊撲滅チームを立ち上げ、合計約60名体制で違法民泊を徹底的に厳しく取り締まる。
札幌市2017年に「民泊サービス通報窓口」を開設し、無許可民泊の対策強化に乗り出す。
金沢市2018年4月に市の衛生指導課に「民泊適正運営指導室」を設置し「違法民泊相談ダイヤル」を開設。
長崎県「違法民泊に係る相談・通報窓口」を長崎県生活衛生課内に開設し、違法民泊が疑われる場合の情報提供を募る。

※2018年4月時点



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