3月5日から全国人民代表大会が開催されている中国の首都北京市で、Airbnbは市内中心部にあるリスティングを一時的に削除、3月30日までのすべての予約をキャンセルしていることが明らかになった。
現在、Airbnbサイトでは3月30日までのいずれの日程においても北京市中心部のリスティングの検索結果はゼロとなっている。なお、4月1日以降については北京市内について複数の空き部屋が確認できることから3月30日まで非表示になっていることがわかる。
一時的であれ、リスティングの削除や予約のキャンセルは多数のホストやゲストに影響を及ぼすのは必至だ。Airbnbはリスティングを一時的に削除したことをBusiness Insiderに対して認めたが、その理由については言及しておらず、「外的要因により、北京市内一部エリアのAirbnbリスティングは3月中の予約ができません。この期間に予約を入れているゲストには全額返金されます」と公表している。
今回の対応は「良き隣人」でありたいため
全国人民代表大会は毎年1回、3月に北京市内の人民大会堂で開催される国会に当たる重要な会議。今年は5日から2週間ほど開催されるが、この開催期間とAirbnbのリスティング削除期間が一致している。この点から政府当局から受けた指示とみられるが、Airbnbはその具体的な内容については明かしておらず、今回の対応は「良き隣人」であろうとしていることを示していると説明。
さらに、Airbnbは「191カ国以上にリスティングがあり、どこであろうと良き隣人であるよう努めている。世界で400以上の行政機関とパートナーシップを結んでおり、良きホスト、良きゲストであるためにできることをしています」と語っている。
政府による指示については認めていないが、過去におけるAirbnbの対応も政府の要求に応じていることを示している。昨年10月、5年に1度開の共産党大会が北京市内で開催された際、市内のAirbnbの予約はキャンセルされ、リスティングも一時的に非表示にされていた。