大手企業による参入も加速し、店舗や交通機関などで徐々に広がりを見せているQRコード決済。ホテル業界では、QRコードを利用したチェックインサービスが広がりを見せつつある。
相鉄フレッサインなどを展開する株式会社相鉄ホテルマネジメントは、同ホテル公式アプリ「FRESA CLUBアプリ」内に、QRコードチェックインサービスを導入。会員証QRコードをフロントの専用端末にかざすだけチェックイン手続きが完了する。
また、スマートフォンで部屋の開錠ができるルームキーも一部ホテルで提供しており、これまでのような物理キーは不要で自身のスマートフォンで解錠できるようになる。
全国でアパホテルを展開するアパグループも、同社が提供する公式アプリ内で、QRコードチェックインサービスを導入。アパカードを提示しなくてもアプリ会員QRコードを専用端末にかざすだけでチェックイン手続きが完了する。
アンバサダーホテルも「オンラインチェックイン」導入
東京ディズニーリゾートは、2018年7月に公式のスマホアプリ「東京ディズニーリゾート・アプリ」をリリース。アプリ内で提供されるデジタルガイドマップでディズニー園内の待ち時間などができるようになったほか、ディズニーアンバサダーホテルの「オンラインチェックイン」も対応。
オンラインチェックインでは、事前に宿泊情報を登録するとスマートフォンをホテル館内のチェックインリーダーにかざすだけでチェックイン手続きを完了。アプリを操作することで客室のルームキーになるスマートロックにも対応済みだ。
東京ディズニーリゾート・アプリによるオンラインチェックインは2018年11月現在、アンバサダーホテルのみでの対応となるが、今後対応ホテルは増える可能性もあり、パーク利用との併用でその利便性を高める狙いはありそうだ。
スマートフォン向けホテル公式アプリも広がる
スマートロック機能やチェックイン機能などを導入するのに最低限必要になるホテル公式アプリをリリースする動きも加速している。ビジネスホテル大手のスーパーホテルやリッチモンドホテルズなども相次いで公式アプリをリリースした。
国内外で総客室数が21,000室を超えるプリンスホテルもホテル公式アプリをリリース。横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズも独自のアプリを持つ。
単にアプリが用意されているだけの公式アプリも一部あるものの、アパグループは公式アプリに事前チェックインサービスや事前に客室を選択できる機能などを提供。
累計のダウンロード数は、40万ンダウンロードを超えるなどアプリを起点にしたロイヤルカスタマー戦略における成功事例も。
世界大手ホテルチェーンのヒルトンも、会員向けに提供するHilton Honorsアプリのサービス提供を強化。好きな客室を自分のアプリから選べるようにするほか、スマホのルームキー化、ホテル客室内の家電製品類を操作可能にする「コネクテッドルーム」にも一部で対応する。
QRコード決済に日本中の注目が集まる中、スマートフォンアプリを起点にQRコードチェックインなど新しいサービス導入に向けた動きがホテル業界でも広がるかもしれない。