オランダ発のホテル予約サイト「Bidroom」はこのほど、富裕層の資産管理を行う複数のファミリーオフィスから1,500万ユーロ(約19億円)の資金を調達した。海外メディアによると今後同社は世界展開を加速させる計画だ。
2014年にオランダのデン・ハーグで設立されたBidroomは、有料の会員になることで他OTAに掲載されている宿泊料金の5%から最大25%の割引料金で予約できるホテル予約サイト。約1年間のテスト版運営を経て、2015年に正式にローンチした。
その後、国内外の旅行業界のスタートアップに送られる賞なども受賞。12月初旬の時点での取り扱いホテルは、世界約130カ国で1,150軒近くに上るなど今話題沸騰中のホテル予約サイトだ。
現在は、オンライン旅行会社(OTA)でホテルの予約を取るのが一般的だが、どこのOTAで予約してもホテルの客室単価にそこまで大きな差はない。Bidroomでは安価な年会費で最大で25%の割引を受けるという点で「革新的」だ。
有料会員制で他社OTAと差別化、安価な客室を提供
Bidroomがホテル運営サイドからも「革新的」だといわれる所以は、ホテルなどの宿泊施設からは予約毎にかかる手数料を一切取らないという点だ。
ホテル予約サイトはこれまで、予約ごとに最大20%程度の予約手数料を宿泊施設から徴収するのが一般的だった。同社はホテルからの予約毎にかかる手数料※を取らない代わりに、利用ユーザーから年会費を徴収することで5%から最大で25%のディスカウント率を保証する。
※予約毎の手数料は無料となるが、初回登録時のみ約19,000円~(149ユーロ~)のアクティベーション手数料が発生する。
現在は、1カ月間のフリートライアル後、年会費として59ユーロ(約7,600円)がクレジット決済されるが、「通常、3回予約すれば元が取れる」と同社は説明する。
Bidroomは今回の資金調達を受けて、オランダのアムステルダムとポーランドのクラクフにある2つのオフィスのスタッフを50~200人程度増強し、プラットフォームのデザインのリニューアルを予定する。
加えて、プラットフォームへの参加ホテル数も増幅させる計画で、提携1万軒目までのホテルは無料で登録を受け付ける計画だ。
また、Bidroomは今年4月にVISAとパートナーシップを結んでおり、ヨーロッパのVISAカード所有者は最初の6カ月間はプラットフォーム使用料が無料になるサービスを提供しているが、今後も同様のパートナーシップ企業を増やしたい考えだ。