【前代未聞】Airbnbの「全削除」に世界中が衝撃 民泊の宿泊予約も強制キャンセルで徹底排除へ

民泊仲介サイトのAirbnb(エアービーアンドビー)は、観光庁の通知発出を受けて、6月2日事前通知なしに違法民泊の「全削除」を実施。6月7日には、削除前に確定していた宿泊予約(6月15日から6月19日分のみ)も一転して強制キャンセルすることを明らかにした。

民泊新法施行前にAirbnbが実施した全削除対応及び宿泊予約の強制キャンセルは世界でも前例がない大規模なものであるため、日本だけではなく海外でも大きな反応を呼んでいる。

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アメリカの経済専門通信社ブルームバーグは、「Airbnbは厳しい法規制を前に日本のリスティングを凍結した」と報じたほか,、台湾の英字紙Taiwan News(台灣英文新聞)は、「台湾の旅行者は日本のAirbnbリスティングの80%が削減されたことを心配」と報じている。

これまで過去最大規模といわれていたAirbnbによる無許可のリスティング削除は、2017年9月からサンフランシスコで行われたもので、削除前に約11,000件あったリスティングのうち約50%削除し約5,500件にまで減少したことで大きな話題となった。

6月2日に日本で行われたAirbnbの全削除対応は約8割の削減で前例を上回る規模で行われるとともに、リスティングの削除期間でもサンフランシスコでは約4か月だったのに対して2~3日程度で行われ世界的に見ても前例のない規模かつスピードだ。

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実効性のあるAirbnbの削除対応は、世界的にも前代未聞

これまでもAirbnbは、市への届出を行っていないなど無許可状態にあるリスティングの削除を行っている。2017年3月にはサンフランシスコで923件を削除、2017年9月には米ポートランド市で524件を削除していた。

しかし、これまでAirbnbが削除してきた物件は、ほとんど予約が入っていないゴースト物件が多く含まれていたことからパフォーマンスとしての削除だと捉える声も聞かれた。

ただ、6月2日にAirbnbが断行した無許可状態にあるリスティング削除はこれまでの対応とは異なり、非常に実効性のあるもので世界的に見ても類を見ない事例となっている。

 

▼Airbnbが実施したリスティングの削除対応事例(件数順)

削除件数年月エリア対応内容
約4万件2018/06日本旅館業法などの許可がないリスティングを削除
約6千件2017/09米サンフランシスコ削除前に約11,000件あったリスティングのうち約50%削除
923件2017/03米サンフランシスコ「1ホスト1物件」のポリシー違反で923件の物件掲載を削除
524件2017/09米ポートランド「1ホスト1物件」のポリシー違反で524件の物件掲載を削除

※Airstair調べ(一部のみ抜粋)

 

Airbnb、約11億円の基金でゲストへの手厚いサポート

現時点では、宿泊予約したゲストはどの物件が合法物件かを見分けることは極めて困難で、宿泊予約の1~2週間前に強制キャンセルの対象になってしまったゲストに罪はない。

そのため、Airbnbは強制キャンセルの対象となったゲストに対しては約11億円(1000万ドル)の基金を設立して満額の返金を行うほか、予約金相当額のクーポン、体験に利用できる約11,000円分の体験クーポンを配布するといい、すでに対応に追われる宿泊客を徹底的にサポートする。

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▼Airbnbが実施を発表しているゲスト向けサポート

(1)キャンセルを余儀なくされたゲストに約11億円相当の基金設立
代替宿泊施設の確保や航空券の変更手数料など追加費用を迫らせるゲストを徹底的にサポート

(2)満額返金とAirbnbクーポンの発行
6月15日以降に日本のAirbnbへのチェックインを予定していたゲストのうち、届出番号がないために予約がキャンセルとなったゲストを対象に、満額返金に加えて、予約金相当額のクーポンと体験に利用できる約11,000円分の体験クーポンを配布。

(3)日本最大手旅行代理店のJTBが斡旋
希望の宿泊施設が見つからなかった場合は、JTBが宿泊施設の確保をサポート(JAPANiCAN)。

(4)24時間体制でのメールサポート
ゲストの不安や悩みを解消する専門のチームがメール(japanguestsupport@airbnb.com)にて24時間サポートする。

 

Airbnbは、必要な届出や許認可のない民泊の全削除に加えて、宿泊予約の強制キャンセルを行うなど世界でも前例のない厳しい対応を行った。その一方で、キャンセル対象となってしまった宿泊客に対しては約11億円の基金を設立するとともに、クーポン発行やJTBとも協力した手厚いサポートを展開する。

無届けの民泊を規制する動きは、日本だけではなくオーストラリアのシドニーやアメリカのニューヨークでも起きているが、日本で実効性のある削除対応が行われたことによる経済インパクトや削除後の動向などは「先行事例」として注目を集めることになりそうだ。



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